この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
堕天使 1st gig.
第29章 希望
この段階で俺は既に命令不服従だが、雪が更に酷くなり始めていたから俺はビバークを急がせていた。

ビバーク決定から1時間後、衛星どころか無線までもが全く使えず、テントの外は猛吹雪という最悪の状況になっていた。

寝袋に足を入れ毛布に包まった俺に宗司はやっぱり涼し気な顔で

『本当に寒さには敏感な方ですね。』

と笑って俺を更に自分の毛布の中に入れて来た。

そう…、俺は寒さが苦手で寒い時ほど戦場での命のやり取りに神経質になる。

『寒いんだよ…。』

そう言って俺は一晩中宗司の腕の中から動けないままだった。明け方近く、レンジャーが出動し俺達に

『演習は中止だ。他の部隊は?』

と言って来た。夕べほどは吹雪いてはいなかったが雪はかなり積もり、俺と宗司のテントは30cm以上埋もれていた。俺はレンジャーに

『ほとんどが行軍したからこの先に居るはずだぞ。』

とうちの小隊の行軍予定表を渡していた。レンジャーは

『大人しくビバークしててくれればいいけどな。』

とため息で森の奥に進んでいた。

お偉方は無線と衛星が使えなくなった段階で演習中止を決めていた。だが、その演習中止すら伝える事が出来ない状況になっていた。

吹雪の中、レンジャーも出せず、各国はお偉方は自分の国の一個師団の安否を祈るだけの夜になっていた。

一晩中、お偉方は各自の判断でビバークしてくれと祈り続け、結果として早めのビバーク判断をした俺達は優秀な兵士とされ、無茶な行軍をして凍傷などの負傷兵を出した隊はことごとくダメ兵士の烙印を押される結果の演習だった。

最悪なのは迷子になり、敵兵士のビバークに保護された部隊だった。幸い日本にはそんな部隊はなかったが、保護された部隊は捕虜とあだ名が与えられ、残りの演習が終了するまでひたすら馬鹿にされ続けるという有り様だった。

宗司の話しが終わった時、小雪が呆れた顔で

『要するに寒いのがやだって駄々こねたら勝っちゃったって事?』

と俺に聞いて来た。俺は

『演習で怪我とか死ぬとかまっぴらごめんだ!』

と叫んでいた。
/469ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ