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堕天使 1st gig.
第29章 希望
リナは初めて聞く
『婦人会?』
という言葉に俺に説明を求めていた。要は、旦那が戦地で留守の間、嫁は嫁同士で助け合いましょうという会なのだが、内容は様々で、戦死した旦那が居た場合、残された遺族の為に婦人会が協力しますとか、バザーを開いたり、お茶会を開いたりとなんだかんだと活動をしているという事くらいしか俺にはわからない。
ただ俺が気に入らないのは、そこにも軍の縦社会が存在するという事実だった。
つまり、大佐の嫁はどこまで行っても大佐の嫁で、少佐の嫁はどこまで行っても少佐の嫁である以上、大佐の嫁の意見に少佐の嫁が口を挟む事は許されないという事実だ。
そんな世界に記憶がないリナを関わらせるのが嫌な俺はひたすらリナにはその存在を伏せて来た。だが、今回の演習参加決定すればリナは婦人会として行動する必要があり、それをまだ小さな美優を抱えてやる事になるのだ。
『階級…、そんなにややこしい?』
『例えばだ。小雪は今中尉の下士官で俺の部下だから、リナは少佐の嫁で小雪より上だ。だが小雪が五十嵐と結婚した場合、俺の部下には変わりないが、嫁同士としてなら、小雪は少佐の嫁で五十嵐は俺の上官職だから、リナよりも上に小雪が来るって事になる。』
『ちんぷんかんぷんです…。』
『だろ?だから、どうすると聞いている。』
そう言った俺にリナは少し泣きそうな顔で
『それでも行きたいよ。待ってるだけとか辛いから行きたいよ。』
と俺にしがみついていた。そういう風に可愛くねだられたら俺はリナには逆らえない。
『なら、まずは美優と2人分のパスポートを取って来い。後、3週間しかないから急げよ。それから婦人会の打ち合わせとかもあるから参加しとけ。俺は軍の方の手続きをしといてやるから。』
と答えていた。リナが
『だからアルト好き。』
と飛び切りの笑顔で俺にキスして来たが俺はタダでさえ嫌いな演習に不安を山のように抱えたまま、リナを抱えているだけだった。
演習なんかクソ喰らえだ!
そう叫びたい声を俺はビールで流し込んでからベッドでヤケクソのまま眠っていた。
『婦人会?』
という言葉に俺に説明を求めていた。要は、旦那が戦地で留守の間、嫁は嫁同士で助け合いましょうという会なのだが、内容は様々で、戦死した旦那が居た場合、残された遺族の為に婦人会が協力しますとか、バザーを開いたり、お茶会を開いたりとなんだかんだと活動をしているという事くらいしか俺にはわからない。
ただ俺が気に入らないのは、そこにも軍の縦社会が存在するという事実だった。
つまり、大佐の嫁はどこまで行っても大佐の嫁で、少佐の嫁はどこまで行っても少佐の嫁である以上、大佐の嫁の意見に少佐の嫁が口を挟む事は許されないという事実だ。
そんな世界に記憶がないリナを関わらせるのが嫌な俺はひたすらリナにはその存在を伏せて来た。だが、今回の演習参加決定すればリナは婦人会として行動する必要があり、それをまだ小さな美優を抱えてやる事になるのだ。
『階級…、そんなにややこしい?』
『例えばだ。小雪は今中尉の下士官で俺の部下だから、リナは少佐の嫁で小雪より上だ。だが小雪が五十嵐と結婚した場合、俺の部下には変わりないが、嫁同士としてなら、小雪は少佐の嫁で五十嵐は俺の上官職だから、リナよりも上に小雪が来るって事になる。』
『ちんぷんかんぷんです…。』
『だろ?だから、どうすると聞いている。』
そう言った俺にリナは少し泣きそうな顔で
『それでも行きたいよ。待ってるだけとか辛いから行きたいよ。』
と俺にしがみついていた。そういう風に可愛くねだられたら俺はリナには逆らえない。
『なら、まずは美優と2人分のパスポートを取って来い。後、3週間しかないから急げよ。それから婦人会の打ち合わせとかもあるから参加しとけ。俺は軍の方の手続きをしといてやるから。』
と答えていた。リナが
『だからアルト好き。』
と飛び切りの笑顔で俺にキスして来たが俺はタダでさえ嫌いな演習に不安を山のように抱えたまま、リナを抱えているだけだった。
演習なんかクソ喰らえだ!
そう叫びたい声を俺はビールで流し込んでからベッドでヤケクソのまま眠っていた。