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堕天使 1st gig.
第29章 希望
俺にわかった情報は明石が国外育ちという事だ。あまり治安がいい…、というよりも大戦時、戦場だった国で明石は育っていた。
だから、当然と言っていいのかわからんが、明石の両親はその国で戦闘に巻き込まれて死亡しており、当時中学生だった明石は高校生だった兄と日本の祖父母に引き取られ、帰国子女として日本の学校に行っていたという記録と、その高校生だった兄が軍に志願して明石が大学を中退する歳に戦死しているという事実だけだった。
戦場で親を亡くし、軍で兄を亡くした明石がわざわざ軍に志願するとか、結局俺は明石の目的がわからないまま悩むだけの教官だった。
家に帰るとリナが
『うーん…。』
と悩んでいた。俺がリナに
『どうした?』
と聞くとリナは
『美優のオムツが2週間分とか、どう考えてもトランクケースに入らないから、もう1つ買うべきか悩んでるの。』
と言って来た。俺が呆れて
『買えよ…。』
と言うとリナは冷たい顔で
『次にそのトランクを使うほどうちは旅行とか出来ますか?』
と俺に聞いて来た。
耳が痛い…
そう思ってしまう俺は足元に這って来た美優を抱えて
『風呂を済ませて来ます。』
と風呂場へと逃げていた。湯船で最近の美優は俺の膝の上からジタバタと水飛沫を上げて動き回りやがるから俺は
『溺れるぞ。』
と叱ってやる。だが、そこは0歳児、全く聞いておらずに
『あー!』
とだけ言ってジタバタを繰り返す。
言うだけ無駄か…
そう思って俺は明石の事をぼんやりと考える。明石には言うだけ無駄とかいう訳にはいかない。
だからずっと考えていた俺だったが、ふと静かだとか思った俺が美優を見るとリナがのぼせた時のように真っ赤な肉まんのような顔になった美優が居た。
『すまん!』
と叫んだ俺は慌ててリナを呼び、リナに美優を引き渡していた。
俺が風呂から出ると美優は必死な形相でミルクを飲んでおり、リナが
『なんか長いなぁと思ってたんだ。』
とのぼせた美優を見てケラケラと笑っていた。
だから、当然と言っていいのかわからんが、明石の両親はその国で戦闘に巻き込まれて死亡しており、当時中学生だった明石は高校生だった兄と日本の祖父母に引き取られ、帰国子女として日本の学校に行っていたという記録と、その高校生だった兄が軍に志願して明石が大学を中退する歳に戦死しているという事実だけだった。
戦場で親を亡くし、軍で兄を亡くした明石がわざわざ軍に志願するとか、結局俺は明石の目的がわからないまま悩むだけの教官だった。
家に帰るとリナが
『うーん…。』
と悩んでいた。俺がリナに
『どうした?』
と聞くとリナは
『美優のオムツが2週間分とか、どう考えてもトランクケースに入らないから、もう1つ買うべきか悩んでるの。』
と言って来た。俺が呆れて
『買えよ…。』
と言うとリナは冷たい顔で
『次にそのトランクを使うほどうちは旅行とか出来ますか?』
と俺に聞いて来た。
耳が痛い…
そう思ってしまう俺は足元に這って来た美優を抱えて
『風呂を済ませて来ます。』
と風呂場へと逃げていた。湯船で最近の美優は俺の膝の上からジタバタと水飛沫を上げて動き回りやがるから俺は
『溺れるぞ。』
と叱ってやる。だが、そこは0歳児、全く聞いておらずに
『あー!』
とだけ言ってジタバタを繰り返す。
言うだけ無駄か…
そう思って俺は明石の事をぼんやりと考える。明石には言うだけ無駄とかいう訳にはいかない。
だからずっと考えていた俺だったが、ふと静かだとか思った俺が美優を見るとリナがのぼせた時のように真っ赤な肉まんのような顔になった美優が居た。
『すまん!』
と叫んだ俺は慌ててリナを呼び、リナに美優を引き渡していた。
俺が風呂から出ると美優は必死な形相でミルクを飲んでおり、リナが
『なんか長いなぁと思ってたんだ。』
とのぼせた美優を見てケラケラと笑っていた。