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第5章 休暇

そうやって、タダでさえ目立つ軍人が一般の店でドタバタと暴れて叫ぶ行為を良しとはしない宗司はとりあえず俺のビールとリナが適当に食えそうなものを店側に注文してから

『何故、連れて来たんです？』

と冷静になって俺に聞いていた。俺はまずはリナに記憶がない事を説明してから宗司に

『アンノウンは施設送りだからな。だから俺が引き取ったんだ。』

と言っていた。ハヤトが突然、施設と言う言葉に反応したように

『施設はダメだ。』

と呟くように言っていた。普段はチャラ男の雄太も珍しく真面目に納得した顔をするが小雪は

『だからって、こんな子供を隊長がちゃんと面倒なんか見れるの？』

と俺を責めるように言っていた。俺は小雪に

『俺じゃ無理かもしれないが、俺がリナを引き取りたかったんだ。』

と言って小雪の頭を撫でていた。当のリナは呑気に自分の前に置かれた焼き鳥とジュースを見て俺に

『食べていいの？』

と聞いて来る。俺はリナに

『こぼさず汚さずに食え。』

と言ってやる。とりあえず、俺はリナの保護者なんだという立場を隊員達に認識させていた。

家族が居ない連中は、どうせ休日はこの店に勝手に集まって来るからだ。始めは俺１人で来ていた店なのだが、宗司が来るようになり、雄太やハヤト、小雪までが来るようになっていた。

年末などの呑み納めは涼宮や五十嵐も来る店なのだから、いつまでもリナの存在を隠しておくには限界だと俺は思って連れて来た。

最近の俺の隠し事が明らかになった以上、宗司の不機嫌はなくなったが宗司はしばらくの間、大人しく焼き鳥を食べるリナを観察するように眺めていた。

俺同様に他人にそこまで関心を持つタイプではない宗司だから俺は宗司に

『なんかあるのか？』

と聞いてみた。宗司は軽く首を降ってから

『いえ、なんでもありません。』

といつもの宗司に戻っていた。後はいつも通りなのは雄太だ。

『リナちゃんっていうの？携帯端末は持ってんの？隊長じゃなく今度はお兄さんと遊びに行こうよ。』

と雄太はリナに色々と食い物を与えてから、いつもの如くナンパを始めていた。