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堕天使 1st gig.
第5章 休暇
雄太が本気でリナに手を出すとか俺は思ってはいないが、リナの方が勘違いすると厄介だと思った俺は雄太に焼き鳥の串で照準を合わせ

『手を出したら、わかってんな?』

と脅してやる。まだ俺の言葉が冗談の範囲だとわかっている雄太は

『さすがに隊長が保護してる女の子には怖くて立たないっす。』

とか言いやがる。ハヤトはビールを呑みながら黙ってリナを見ているだけで、後は小雪が

『最近、隊長が真面目ぶってるのはその子の為?』

とまだ不機嫌に俺に聞いて来る。俺はふざけて小雪に

『俺はいつでも真面目だぞ。』

とは言ってみたが、やはり小雪はずっと不機嫌なままだった。飯を済ませて家に帰り、先にリナを風呂に入らせる。俺がリナの後に風呂に入り俺が風呂から出ると俺の布団の上でピンクのパジャマに着替えたリナが携帯端末を握ったまま眠っていた。

『やれやれ…。』

とやはり俺はリナには子供扱いになってしまう。リナを抱えてベッドに放り込んでから俺は1人でビールを呑みながら考えていた。

小雪の言う通り、本当は俺みたいな男がリナを引き取るべきじゃなかったかもしれない。

だけど…

だけど、俺はリナの為とか言いながら、本当は俺がリナを欲しかったんだと気付かされた。

休日を誰も待たない部屋で1人で過ごし、僅かでも誰かと話したいから焼き鳥屋に集まる。そんな隊員達と同じ立場に居た俺が、隊員達とリナの両方を見比べた時に、初めて俺がリナを求めていたんだと俺は理解していた。

そんな俺をいつか置き去りにしてリナが出て行くんだろうと俺は何故か笑っていた。

それでも俺はリナの為にこの未来を守りたいと思うのだろうか?

多分、答えはYesなんだろう。リナが他の男に抱かれていても、俺はリナを守りたいと思うくらいリナが大事だと考える。だから、そんな馬鹿な男の姿を俺はずっと笑っていた。

翌朝は俺はわざとダラダラと寝ていた。基本、休暇中にわざわざ出掛けたり、何かをやろうという習性を俺は持ち合わせていない。

下手に何かをやろうとしても軍から緊急の呼び出しが来れば、全てが中途半端になるのだから、休暇とは何も考えない、何もしないものだと俺は思っている。
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