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堕天使 1st gig.
第6章 山内
リナだって最近じゃ映画やドラマで知識がある分、俺とキスする意味くらいはわかっている。だからご褒美のキスはあくまでも家族としてのものだとリナもちゃんと理解しているはずだった。

なのに、リナは何故かその枠を越えようとしている。

一体どういうつもりだよ…

単なるイタズラのつもりか?好奇心か?それならそれで俺は立場的にリナにそういうイタズラや好奇心は止めさせなければならない。

だけど…

だけど、もしリナが…、そう思った瞬間、俺はその事を考えるのを止めていた。俺は任務の時はリナの事を忘れるようにしている。そうやって任務にだけ集中しなければ多分俺はリナのところに本当に帰れなくなるからだった。

仕事では誰もが相変わらずだった。ただ今日は比較的に皆がのんびりしていた。何故なら今夜は夜間任務があるからだ。

いわゆるテロ組織壊滅作戦…、だがテロ組織と言っても国内外に大小と様々なグループが200以上存在する。

しかもその中で比較的に規模がデカい組織は枝分かれし組織を分散して更に数を増やしてくれている。お陰でいくら軍が組織を壊滅しても分散された組織がその後を引き継ぐから、いつまで経ってもテロが終わらないのが現実だ。

それでも、せめて日本国内にある組織だけは壊滅させようと比較的大規模なテロを起こす可能性がある大きな組織を軍や所轄が見張り、定期的に壊滅作戦が行われる。

今回はそのある組織の全国一斉壊滅作戦だった。組織は全国にアジトを5箇所ほど構えているのは既に情報部が突き止めている。

その5箇所を同時に軍が攻撃し壊滅させるのだが、そのうちの1箇所で日本支部のリーダーと思われる人物が居るアジトにうちの部隊が突入する。

作戦規模は大隊クラスでこの基地の第1師団から俺とは顔馴染みの大将殿が大隊を率い、うちは小隊だから一時的にその大隊に編成される事になる。

テロのアジトを軍が大隊で取り囲み、攻撃突入をする以上、そこは戦場に成り果て、そしてテロには射殺許可が降りている以上、容赦なしの軍の壊滅作戦となるのが今回うちの任務だ。
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