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堕天使 1st gig.
第6章 山内
俺はそんなちゃっかりした大将に再び敬礼をして

『撤収します。』

とさっさと帰る為の挨拶を済ませてやる。だが、今の大将はご機嫌だから俺の態度の悪さを気にする事もなく

『下がって良し。』

と俺に命令を出す。帰るにも命令が必要な軍の姿勢に呆れながら俺は俺達を迎えに来た軍の装甲車で本部へと帰っていた。

任務が終われば僅かだが平和が訪れる。だからまず本部に戻り、シャワーを浴び、自分の身体から硝煙と血なまぐさい匂いを消していく。

予備の戦闘服に着替えていつものハンデを装備するとその重みでやっと自分が人間に戻った感覚になる。

手が少し震える。だが、俺はこの姿だけは誰にも見せないようにする。

いくら軍人とはいえ、戦場での人殺しに興奮しているとか、誰かに見せるわけにはいかなかった。

落ち着いてから俺が2課の部屋に戻ると宗司がコーヒーを俺に入れる。俺は黙ってコーヒーを飲みながら書類仕事を始めていた。

もう夜明けという時間だ。朝の8時には交代が来て俺はまた2日の休暇に入る。報告書は休暇明けで構わないのだが、俺は自分の分は済ませ、補給の書類なども早めに済ませてしまう。

大規模組織を壊滅した以上、簡単に次のテロは起きない状況なのだが絶対ではない。万が一、緊急が休暇中に発生すれば俺はまた戦闘に戻る事になる。

その為の備品や補給は常に完全な状況にしておく必要がある。不備があれば死ぬのはこっちだからだ。

宗司もそれをわかっているから黙って俺の仕事を手伝って来る。お陰で交代が来るまでにはほとんどの書類仕事が終わっていた。

『お疲れ、休暇は楽しめよ。』

そう言った俺に雄太が

『明日、焼き鳥屋は俺の奢りだから誰も来なくていいっすよ。』

と叫んでいた。本部を出る時に小雪が

『送ってよ。』

と言って来るから俺は小雪を車に乗せていた。あれから俺は小雪とは任務以外ではほとんど話しをしていない。

小雪が黙ったままだから俺はなんとなく居心地が悪かった。俺は小雪に

『最近、どうなんだ?』

と間抜けな質問をしていた。小雪はクスクスと笑ってから

『そっちこそどうなの?』

と聞いて来る。俺は

『何もねぇよ…。』

と答えていた。小雪は

『ずるいよね…、隊長は…。』

そう呟くように言っていた。
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