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堕天使 1st gig.
第7章 役人
なるほど…

宗司の補足で頭が悪い俺はようやくそう思っていた。基本、船自体は所轄と海保だけでも押さえる事は可能だ。だが、もしテロリストが乗っているなら、そこが戦場に変わる危険性を考慮して、海側を海軍が押さえ、船内を陸軍が押さえる作戦を軍が提案したのだ。

そうなれば、テロ専門の俺達の出番だから、テロと断定してから呼び出すよりも、始めっから断定して俺らに踏み込ませると上層部が決めたらしい。

『ややこしい事を…。』

と文句を垂れる俺に宗司は眉間にシワを寄せ

『全文読めばわかる事です。』

と叱って来る。俺は宗司に

『そうなったらお前の仕事が無くなるぞ。』

と開き直ってやる。宗司は

『そうなったら僕はもっと色々と他の仕事が出来るんですよ。』

とただでさえキツい目を更に吊り上げて俺を睨んでいた。これ以上、怒られたくない俺はとりあえず宗司に言われた通りに今更に書類を読み返して仕事するフリをしていた。

そして作戦当日、問題の船が港に入港すると同時に海軍と陸軍が見事に貨物船を取り巻いていた。今回の任務で俺は

『αは船頭から、βとγは船尾から探索開始だ。』

と指示を出す。海側は海軍と海保が取り囲んで居る以上、船内の奴が簡単に逃げる事は出来ないから俺達はとにかく戦闘に備えながら船の中を進むだけだった。

陸側はハヤト達狙撃手が狙っている。通訳がスピーカーで船の乗員に抵抗せずに手を上げろと繰り返す中を次々とバックアップの所轄に乗員達を引き渡しながら俺は宗司と船内の探索を続けていた。

貨物船の操舵室には船長が居た。船長はカタコトの日本語で

『許可ある。許可ある。』

と手を上げて、その手にある書類を俺達に見せて来る。俺は船長の手首に拘束具を付けながら

『接岸許可が降りても、上陸許可が降りなかった意味がわからなかったか?』

と船長に言ってやる。宗司が

『何を言っても日本語は通じませんよ。』

と冷たく俺に言っていた。だが、船長の部屋、乗員の部屋、機関室、ありとあらゆる場所を隈無く捜索していくが武器もテロリストも見当たらない。

『本当にこの船か?情報部の間違いとか?』

そう言った俺に雄太が

『五十嵐隊長に限ってそんなミスはないっすよ。』

とゲラゲラと笑いやがる。ならばと残すは貨物室だけになっていた。
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