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隷吏たちのるつぼ
第5章  第四章 口開く陥穽



 外で秀之を待たせてでも、もう一発ぶっぱなしておけばよかった。呑気な様子が、射精し損なった牡茎を著しく刺激してくる。

「ま、今日は一対一で飲もうよ。……いやさ、今回の件はほんと、兄貴の勇み足だよ。でも家の人間を止められなくてね。そんな、下請けイジメみたいなマネしてさぁ、ウチに逆らえないように見せしめにしようなんて、時代錯誤もいいとこなんだよ」
「いっ、いえそんなっ……。わ、悪いのは僕の方ですから」
「そう言ってくれると、俺も気が楽だな。ここで言ってるだけなのも情けないけどさ、俺は篭山開発のやり方を変えたいね。ただ安いとか、そんな理由だけで生産拠点を海外に移そうなんて間違ってるよ。篭山はN市と一緒に成長したんだ。地元を大事にしないと」

 水割りを作りながら、知ったような言葉を並べると、秀之は恐縮しながらも何度も頷きを入れた。

 二人で飲んで手打ちにしよう。発注停止が撤回され、難を逃れた秀之を誘うと、お人好しなことに何の疑いもなく来てくれた。すぐ隣の部屋では、愛する恋人が卑猥な格好に固められているとも知らず。この軟弱男が属従している、もう威厳も何も地に落ちた女神が曝している牝器が思い出されて、射精管の中で牡汁が煮えて対流しているかのようだった。

 秀之は征四郎の手前、無理をしてグラスに口を付けているように見えた。あまり酒に強くないようで、すぐに目の周りが赤くなり、咳をする回数も増えていく。

「でも、君みたいな若い人が篭山を支える工場を継いでくれるなんて嬉しいよね。今回の件でとても誠実な人だってわかったし」
 征四郎は秀之の目の前でグラスを空けてみせ、「次にさ、何か案件がきたら、君んとこに直接発注にするように働きかけるよ。間に何社か通すのもバカバカしいだろ?」

「ほ、ほんとうですかっ?」

 秀之が立ち上がって、深く礼をした。だが、少しフラついている。こっちは、隣の部屋のことを思うと全く酔いが回ってこない。

「ああ。罪ほろぼしっていうわけじゃなく、仕事のパートナーとして依頼したい」
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