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隷吏たちのるつぼ
第5章  第四章 口開く陥穽
 まったく、どれだけキスするのが嫌なのだろう。肛道を先端でほじられていながら、まだ悩み、導き出した答えはNOなのだ。

 それほど、自分の唇が悍ましいならば──

「じゃ、クソするときみたいに、力抜いとけ。いくぜ?」

 頑なな拒絶がむしろ牡茎に力を与え、浣腸液でほぐれ、媚薬で性感の芽生えた直腸を力強く進んでいった。初めて牡欲の棍を狭路へ捻じ込まれた悠香梨は、直腸を広げられる苦しさに加え、呻くことも喘ぐこともできない苦しさに苛んでいるのだろう、髪を振り乱して頭突きをするようにシーツに額を打ちつけていた。

(うおおっ!)

 全てを埋め切って感動した。肉幹全体が灼熱の粘膜に密封され、何のリズムか──どうやらこれは悠香梨の鼓動のリズムだ、一定間隔で搾られる。

「最高だぜ、ユカリンのケツ。ニューハーフ以上じゃねえかよお。チ×ポがちぎれそうだ」

 揶揄でも嘲弄でもなく、賞賛の言葉だった。汗ばんだうなじに顔を埋めて香ぐわしい空気を鼻腔いっぱいに嗅ぎ、前に回した両手で張りつめたバストを揉みしだきながら、女陰を貫くときと変わらない貪欲な抽送を始める。

「うあっ、やっ……、は、激しく、し、しないで……」
「声が出そうなんだろ? いいぜ、アナルでヒイヒイ言ってみろよお」

 風俗のサービスではない、自分の手で獲得したアブノーマルセックスを謳歌したくて、征四郎は遠慮なく腰の出力を上げていった。

「お、おねがいっ、こ、こえっ……、だめ、出ちゃうっ、だめっ……だめ……」
 密め声で必死に背後へ訴えていた悠香梨は、「あんっ!!」

 俄かに部屋に残響するほどの嬌声を放った。バストから離した片手を前へ差し入れ、膨らんだ小さな肉の雛先を弾いてやったのだ。

 悠香梨の横顔は自分の声の大きさに驚き、この世の終わりのように蒼くなっている。しかし、大声を響かせた後も部屋はシンと静まり返っていた。隣の部屋からは物音一つ聞こえない。

 上体を起こして膝立ちにさせると、抱きしめ、緩やかな抽送を行いつつ、

「……安心しろ。彼氏は寝ちまったぜ?」

 肉豆をクルッ、クルッと撫でる。秀之が昏睡していると知って緊張の解けたウエストラインがしなやかに弯曲し、悠香梨の方からヒップを押し付けてきた。
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