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隷吏たちのるつぼ
第6章  第五章 誨淫の舎
「潮ぶちまけたら車が汚れんだろうがよ。ったく、好き勝手オナりやがってよぉ。よっぽど溜まってたんだな」
「た、たまってとか、そういう……、……あっ!」

 横断歩道を渡る主婦が、こちらへ顔を向けようとしてきたから慌てて脚を閉じた。

「俺に会えないあいだ彼氏にパコらせてたんだろ? なんで溜まってんだよ。ちゃんとケツの穴もホジってもらえたのか?」
「ひ、秀之がそんなこと……」
「するわけねえよな」

 閉じた太ももに、また、投げ寄越されたモノが落ちた。

(……!)

 コロンの小瓶よりもずっと大きな、長細い筒状の器具。忘れるはずもない。屈辱の記憶がフラッシュバックし、後ろの矮路が引き締まった。

「自分でやれ」
「んうっ、できるわけ……」
「てか今、脚閉じたよな? なに勝手なことしてんだよ、あ?」

 運転席から手が伸びてきた。ミニスカートの下肢を目立たせようと選んでいたシフォンブラウスの前がベロンとめくられる。

「ううっ」
「早くしろ」

 歩行者用信号が点滅していた。学校が始まっている時間なのにウロウロしている学生服二人がのんびりと渡っている。征四郎がハンドルに掌底を当てた。クラクションが鳴らされれば、彼らの視線がこちらへ向くだろう。もちろんインナーを着ているが、運転席から服の前を剥がれているだけでも、充分な好奇を誘うはずだ。

「ま、待ってっ!」

 器具を手に取ると、ズシリとした重みに身震いがした。だが、迷っていられない。垂れ下がるチューブの先を摘み、前屈みになって、浮かせたヒップの下へと突っ込んだ。

「ウムッ……!」

 もうこんな場所まで溢れている……。ヌメりを利して嘴口は痛みなく射し入った。手を離し、なみなみと液汁を湛えた筒胴を両手で持つ。

 信号が青になって発進すると同時に、押し子へ力を込めた。

「ンンン……」

 冷たい液汁が排水路を逆流してくる。ずっと放置されてきた不浄の器官が巻き込む渦に擽られる。

「……あうっ」

 早速腹の中が轟く。奥歯を噛んでヒップを締めなければ、チューブの隙間から漏水しそうだ。滲む脂汗が悪寒によって冷えていき、その冷感が更なる便意を増長してくる。
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