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隷吏たちのるつぼ
第6章  第五章 誨淫の舎



 リードを引かれるままに会館の廊下を抜け、裏の非常口まで導かれた。ためらわないではなかったが、正面入口ならばいざしらず、山肌迫る裏手には誰一人いなかったから首輪姿のまま外へ出た。

 征四郎のあとを、智咲は従順に追いていった。四つん這いでもなければ、手を拘束されているわけでもない。スカートも下ろされている。

 関係者以外立ち入り禁止の立て札を無視して、未舗装の山道を登り始めた。パンプスの裏で踏んだ小枝が鳴る。征四郎はチェーンを手首にかけた手をポケットに突っ込んで、空や枝葉を眺めながら歩いている。時折口笛を吹いていた。

 本当に、ただの散歩のように。

(んっ……)

 山道のカーブを巡ると、会館は木立に隠れて見えなくなった。車道も遠いはず。誰も見ていない。

 智咲は、征四郎が淫欲を滾らせて襲いかかってくる瞬間を、気を引き締めて、しかし花唇はどうしようもなく緩めて、今か今かと待っていた。なのに、なかなかその時は訪れなかった。

(ひ、ひどい……。ひどい)

 首を繋がれて、単にとぼとぼと追いていっているだけの自分が情けなく、しきりに鼻を啜っていると、征四郎がおもむろに振り返ってきた。

「……どうした?」
「な、なんなんですか、これ……」

 当然の疑問をぶつけた。

「言ったじゃねえか。散歩だよ、散歩」
「な、なら……」

 手の自由を奪い、スカートを捲り上げて歩かせればいいではないか。いや、「散歩」にふさわしく、いっそ土道を四つん這いで進ませたって。

「お、おね、お願い、です。早く……」
「早く、何だよ?」
「そ、その……」
 ブースを訪れた時から、しとやかさを振り払い、征四郎の宣う通りに、全て従ったはずだ。「ちゃ、ちゃんと……、おしお……、わっ!」

 罰を希おうとした矢先、グイッと力強くリードを引かれ、よろめいて膝と手のひらを地面についた。

「奴隷のくせに、指図してんじゃねえよ。ハメて欲しいなら、自分でスカート捲って見せるとかするんじゃねーのかよ、普通よっ。せっかく来てやったのに受付でもボーッと座ってやがって」

 怒気を孕んだ声が浴びせられて項垂れる。
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