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隷吏たちのるつぼ
第6章  第五章 誨淫の舎
 ヒップと床面との間が濡れてヌメっていた。だが、それが潮なのか汚汁なのかは、感触だけではわからなかった。

「調子乗って好き勝手腰ふりやがって。茶色いのも漏れてんだろ。正真正銘のクソ女だな、お前は」
「う、も、漏らしてなんか」
 ない。定かではないが、絶対認めるわけにはいかない。「な……、うわっ!!」

 下腹を拳で強く押された。皺口付近で渦が起こる。

「いやあっ!!  や、やめ……やめてっ、漏れちゃう!」

 グググと、異物の一つがにじり出ようとしてきた。

「んじゃ単なるインラン女だなっ。おらっ、チ×ポ大好きな肉便器だって認めろっ! 自己紹介だ」

 このままでは爆発してしまう。そして放ったが最後、発狂してしまう。
 発狂してしまっては、征四郎の肉棒の真髄を味わうことができなくなる──

「チチ、チ×ポ大好きっ。私は、チ×ポ、だ、大好きな肉便器です!」

 悠香梨は闇に向かって絶叫した。

「彼氏のチ×ポよりもだろ? なあ? クソマ×コ」
「そ、そう……、そうです! あんなのじゃダメっ。さ、さっきの、さっきのスゴいチ×ポ、ク、クソマ×コにもっとくださいっ!!」

 めり込んでくる拳が外されない限り、直截な言葉で、繰り返し大声で自分を誹っていると、いくらでも肉汁が滲み出た。

「──けっ」

 荒々しく足首が引かれ、床を引きずられる。
 最後に、腰に靴裏がついたかと思うと、蹴り出された。

「ゴミは片付けとかねえとな」

 靴音。……遠ざかっている。
 寒気立った悠香梨は、

「えっ! う、うそ、……うそ、ちょ、まっ、行かないで!」

 けたたましい音で扉が閉まった。すぐに高波がきて、失意が異物の一つを外へ吐き出させた。




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