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隷吏たちのるつぼ
第2章  第一章 醒めゆく悪夢
 一歩踏み出したが、足裏に畳の感触がなかった。膝をつく。周囲の景色が丸く歪んでいた。

「えっ、あ……」

 連れ出される老人の背中が、芳賀によって閉められる襖だけではなく、落ちてくる瞼によっても隠された。





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