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第3章 　第二章　遅れた服罪

４


　覆いかぶさる陵辱者の顔は、精を放つ瞬間、白目をむくほど淫蕩に溶けていた。そんな卑しい野獣に、二度と取り戻せない宝璧を簒奪されたのだ。

　征四郎が押し入ってくるや裂痛が走った。

　しかし、侵入されるほど痛みが増すものだとばかり思っていたのに、糜爛したかのようにドロドロになった襞を傘が擦ってくると、疼きが癒される快美がこれを圧倒した。

　先端で行き止まりをノックされる未知の感覚がもたらされてすぐ、中が膨らみ、室内へ向けて熱湯のような怒涛が押し寄せた。こんな男に純潔を奪われたどころか、生姦まで果たされたのに、その最中腰は淫りがわしくくねり、襞壁の蠕動が抑えられなかった。射精を終えた征四郎が抱きついてくると、男臭い毛むくじゃらの体に包まれて、突き刺された牡茎をミッチリと引き搾ってしまった。

「智咲……。……おむっ」

　恋人のように呼び捨てにした征四郎が、唇の狭間へ舌を抉じ入れてくる。

「ふぁ……」

　智咲は何の抗いもなくピチャピチャと音を鳴らして応えた。口臭にまみれた唾液が鼻腔を衝く。それでも智咲は自ら舌を差し出し、ピュルッ、ピュルッとまだ体内へ温かい残滓を浴びるごとに吐息を漏らした。

「智咲のバージン、しっかり貰ってやったぜ」

　誇らしげに言った征四郎が、腰を引いていく。

「あっ、う……」

　亀頭が抜け出ていく時、追うように流れ出る毒液が傷口にしみた。その痛みでようやく我に返った智咲は、脚の間に膝立つ男の醜さを改めて実感した。

（う、な、なんで……）

　こんな奴が射精後のキスを求めてきたのに、素直に、いや、率先して唇を吸ってしまった。信じたくない。時間を巻き戻してでも、さっきのキスを取り消したかった。

　征四郎が膝で胸元を跨いでくる。陰嚢まで粘液にコーティングされた肉幹が目の前に聳えた。

「ほら、智咲。お掃除だ」
「お、おそ……」

　征四郎は脇の下までにじり寄ると前に手を付いた。顔を影が覆い、鈴口が眼前へ迫った。

「んんっ……」
「何イヤがってんだよお。フェラは経験済みだろ」

　顔を背けても髪を掴まれて戻される。クイ、と腰を使われ、先端がフレンチキスをしてきた。