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隷吏たちのるつぼ
第3章  第二章 遅れた服罪
 同じ高校に進んでいた秀之だけは、悠香梨の本心を見抜いていた。悠香梨のために学費補助や奨学金について色々調べてくれ、相談をしている中で、初めて辛さを吐露し、彼の前で泣いた。
 そして、中学の時から好意がバレバレだったのに、一向に告白してこなかった秀之が、遂に思いを伝えてきたのだった。

 母親が快復した悠香梨は、秀之と付き合いながら一緒に受験勉強をして、翌年県内の大学に合格した。

 秀之が悠香梨に憧れていることは周囲の目にも明らかだったし、気が優しいという長所が軟弱という短所でもある秀之では、悠香梨を落とすのは到底無理だと思われていた。だから、卒業後いつの間にか二人が付き合っていて、しかも長く続いていると知って皆、意外がった。

 友人の前では「年下だし居心地がいいんだよ」と嘯いていたが、秀之ではない男と気軽に初体験を済ましてしまったことを激しく後悔するほど、今や悠香梨にとって彼がすこぶる大切な存在になっていた。

「……だって、いまさら変えれないよ」
「なんか、四、五十のオバサンになって、ユカリンなんて呼ばれたらハズいじゃん。それに同期の間ではオネーサマで通ってるんだからさ。そんな呼ばれ方されてるの知られたら、役所でみんなからユカリンって呼ばれちゃう」

 大学に入ってすぐに公務員を志すようになった。一つは家計を助けるため。弟はまだ独り立ちしていないし、奨学金の返済がある。母親にこれ以上の負担をかけるわけにはいかなかった。
 もう一つは、秀之の実家は地元で小さな製材工場を営んでおり、経営学部へ進んだ彼は家業を継ぐつもりだったからだ。

 部材業は景気に左右されやすく、海外からの流入も激しいから、必ずしも安定した経営状況ではない。彼に公務員試験を受ける理由を問われた時、地元で安定した職に就いて夫を支えるつもりだ、と悠香梨のほうからプロポーズする羽目になって、秀之の顔を真っ赤にさせた。

 そんな理由があったから、一年目で採用が叶わなくても、バイトを続けて翌年もう一度受験をした。なので大学新卒の連中よりも二つ年上だ。
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