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隷吏たちのるつぼ
第3章  第二章 遅れた服罪



 急に休んで申し訳なかったと頭を下げたが、先に来ていたみどりは黙礼をしただけで、何も言わず正面を向いていた。昨日、いつもの通りの来館者数であったのなら、一人でも全く支障はなかっただろう。
 智咲は聞こえる溜息をついて、隣の席についた。

 昨日は体調不良と言って休暇をもらった。

 タクシーで家へ帰ってくると、もう夜が明けていた。それまでずっと、征四郎に姦され続けた。何度? 全く思い出せない。征四郎はレストルームでも底なしの淫欲だったが、それをはるかに上回る強精で体をえぐり、腹の奥を虐濁の粘液で満たし続けた。

 役所に連絡を入れた後、自己防衛に導かれて泥のように眠った。皮肉なことに、何の夢も見なかった。

 夕刻に目覚めると、もしかしたら昨晩の出来事は夢の中でみた夢だったのではないかと思った。だが身を起こした時、まだ疼痛を伴って体の中に何かが入っている感覚があり、決して幻ではなかったと知らしめられた。

 シャワーを浴びて、ドレッサーへ裸体を映す。昨日と変わらないように見える。しかし確実に、自分は変えられてしまった。そう思えた。

 物狂おしくて見ていられない体を隠そうと、ボクサータイプのショーツを身につけ、ルームウェアを着込むためにベッドに座った時、

「ふ……」

 熱い息が漏れた。

 もう一度、シャワーを浴びたほうがいい。
 警鐘が聞こえたが足は浴室へ向かわず、誰がいるわけでもないのに下腹をウェアで覆い隠して、手を股間へ入れた。

 緩めた内ももに指が触れただけでも、下腹が甘く擾乱し始めた。恥丘を覆った布地を辿り、奥を伺うと、そこはもう高まった体温で熱せられて蒸していた。

「あんっ」

 自分の声が鼻にかかっているのがわかる。征四郎に塗られた薬の作用が、まだ残っているに違いなかった。ショーツ越しに見つけた小さな突起を撫でると、下肢が跳ね、股が緩む。警鐘は相変わらず聞こえる。しかし智咲は指へ向かって腰を突き出した。

 あまり眠れなかった。昼間に寝てしまったからではない。半日程度で癒せるはずもない狼藉のショックで、脳は休息を求めている。
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