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隷吏たちのるつぼ
第3章  第二章 遅れた服罪
 足音が遠ざかっていく。引き締まっていた智咲の体の力が抜けた。

「オトモダチの前で興奮してんじゃねえよ、くく……」

 頬を赤らめ唇を噛んでいる智咲を見上げて言うと、

「そんな、興奮なんてしてま──」

 言い終わるが先に、征四郎は爪先でギリギリを攻めていたポイント、イジくっている間にクロッチの中に見つけた突起を弾いた。

「ひゃうっ……!」
「じゃ、なんだよこのイヤラしいお汁はよお」

 軽く撫でられただけなのに、もじもじとヒップをくねらせている。肉芽だけでなく、薄っすらと凹凸を浮き立せた門扉も指腹でなぞってやると新たな果汁が滲んだ。

 エントランスにたむろしていた人々が、時間が近づいて皆、講堂の方へ消えていった。

「みどり、鍵よこせ。ちょっとハメてくる」

 立ち上がった征四郎は、息を切らしている智咲の眼前にズボンの前を見せつけながら、みどりから鍵束を受け取った。

「い、いや……、いやです……」

 ハメる、という言葉を聞いて蒼白となった智咲は、ズボンの尖りを避けるように下を向いた。

 精を全て吐き出し、旅館の部屋で丸裸のまま眠っていたら、いつのまにか智咲は消えていた。昨日も弄んでやろうと会館を訪れたのだが、みどりから休暇だと知らされた。

 智咲は両手で顔を覆い、鼻を啜っている。

 お嬢様はそうやって憐憫に満ちた姿を見せれば、許してもらってきたのかもしれない。だが残念ながら、丸一日待たされた股間には、一日ぶんの淫欲が充満しているのだ。

「ほんとうに、もう、いやなんです……。……っ!」

 首筋のヒヤリとした感触に気づいた智咲が、ハッと顔を上げた。
 大型犬用の首輪が巻きついているのを知った恐懼の表情がたまらない。

「こいっ」
「い、や……、やだっ」

 抵抗しようとする智咲だったが、気遣いなくチェーンリードを引っ張ると、首にかかる痛みを逃すために、よろめきつつ立ち上がった。パンプスを踏ん張ろうとしているが、力は弱い。なんなくブースから引き出し、すぐ近くにある階段へと連れていった。

「うう、やめてくださいっ……」
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