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隷吏たちのるつぼ
第4章  第三章 詭謀の酬い



 拷問だ、と思った。運転する悠香梨を眺めていると、今すぐにでも襲いかかりたくなる。

 こちらが黙っていると、悠香梨もずっと黙っていた。赤信号を待っている間、彩やかに色付けたネイルでハンドルを叩いている。不細工な脅迫男と車で二人きり。さぞかし悲鳴を上げたい状況なのだろう。

 こうして見ると、やはり悠香梨は役場職員にしておくには惜しい。車に乗り込む時、そばに並ぶとヒールを履いているせいで征四郎より上背があった。ただ背が高いだけではない。今、アクセルを操作している脚線は、舌舐めずりしてしまいそうなほど長く、美しい。そして挑発的な美貌ときている。

 同期の智咲とは二歳離れているらしいが、征四郎から見れば、いずれも「若くてソソられる女」である事に変わりはなかった。
 ただし、印象は好対照だ。手弱女を連想させる智咲と違い、悠香梨には、こちらへ牙を剥いて立ち向かってくるような野性味がある。ファミリーレストランのボックス席に秀之と並んで座った悠香梨と話していると、この女が腹の底で沸々と怒りを滾らせながら、しかし彼氏の前では、自分との取引を隠して何食わぬ顔をしている様子がたまらなかった。

 キレイな彼女だね、いつ結婚するの、と聞いてやると、今日の征四郎は機嫌がいいのだ、と安堵した秀之は照れ、恋人を褒められて嬉しがっていた。

(その大切な彼女を……くく、この女はお前にはもったいねえよ)

 そう思うと、嫉妬と優越感で、テーブルの下で勃起がやまなかった。

 海辺に建つホテルに着いた。
 地下駐車場へ入れさせる。乗車時と同じく、手が使えないことを理由にドアを開けさせると、悠香梨は憮然と従った。

 エレベーターへ乗り込み、最上階を押すと、

「レストラン、八階じゃないんですか?」
「スイートを取ってあるんだ。悠香梨ちゃんのためにね」
「は? 約束が違うし」

 密閉された空間で、少しでも征四郎から距離を取ろうと隅に立っていた悠香梨が、敬語を忘れてこちらを振り返った。

(おお、いいねぇ)

 その拍子に長い髪も一緒に揺れて、顔へ芳しい風が浴びせられた。腕を吊った下でズボンがいっぱいまで尖っているのを、まだ気づかれないよう、もう一方の手で支えるフリをして隠す。
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