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鬼ヶ瀬塚村
第22章 真理子
真理子さんはシュルシュルッと手慣れた手つきで帯を外し始めた。

少し土のついた緋袴がゆっくり足元へ滑り落ちる。

『何、見てんのよ。ノブのスケベッ!』

僕は苦笑いを浮かべながら彼女から視線を空に移した。

ふと思った。

僕のお父さんやお母さんや祖母は今どうして居るのだろうと。

ろくに連絡もせず、離婚話に付き合わされたのを最後にもう会って居ない。

会えるわけが無い。
優秀な銀行員だった父は若い頃東京大学で経済学を学んでいた。
柔道も黒帯で僕なんかとはまるで正反対の人物だ。

母はややヒステリックで神経質な人だったが、明治大学を卒業後は生け花で生計を立て、やがて父と結婚した。

そんな2人の間に生まれた僕は、漫画漬けの子供だった。
なんとか2人の機嫌を取る時だけ勉強した程度だ。
運動は野球が好きだったけれど、チームでは玉拾いばかりだった。

期待して育てた1人息子から連絡はなくどこで何をしているかもわから無い。

同世代と同じ稼ぎもなければ、無理を言って美術を学ぶ為に行った大学もギリギリの卒業…顔さえ見たくないだろう。

ましてや父が汗水垂らして稼いだ給料で学ばせた貰った美術はあまり僕に影響を及ぼしてはい無い。
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