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鬼ヶ瀬塚村
第23章 ガキ
カヤさんは最初は嫌がっていたが、やがて大人しくなりそれを口にした。

よほど苦いのか臭いのかわからないが、カヤさんは顔を歪めていた。

僕も命を貰ったのだ。
薬に姿を変えた誰かの命を。

人は死ねば墓に入るだけではないんだなと漠然と思った。

殺された人間の事なのに、僕には実感がわかなかった。

『これでお仕舞いじゃば。夜には浮腫みも引いてるがんね?』

一郎さんがカヤさんの肩をさすりながら言う。
カヤさんは相変わらず無反応を決め込んでいた。

『信人ぐん、天気もええじね外案内じますわ』

『いいんですか?』

『構わんよぉ、僕人に教えるんば仕事でずがら。真理子ちゃんも言うてだでしょ?教えで貰えっで?』

一郎さんは手首からヘアゴムを引っ張ると長い髪を後ろで一本に縛った。
くりくりした大きな目にしっかりした厚い顎、それが爽やかな笑みを浮かべながらカヤさんの背中を撫でている。

優男、そんな言葉がピッタリ当てはまるなと改めて思った。

『近所のガキんぼらも珍しいんでしょう』

一郎さんが縁側へ向かって視線を移す。
見ると小さな子供が数人柵の間からこちらを見ていた。

『新しい人間なんで滅多には増えまぜん。稀に増える程度でずわ。…かぁぢゃん、出掛けで来るわ』
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