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鬼ヶ瀬塚村
第23章 ガキ
一郎さんは37歳だ。
けれど見る人は僕と並んで歩いている彼に年の差を感じないだろう。

村のゆったりした暮らしがそうさせるのか、或いはかつて不老長寿の妙薬とまで謳われた人肉のせいなのか。

彼はとても若く見える。
何かに夢中になっている男の顔だ。

『じきにええ狩り場がありまずがら、軽く見でまわりましょが』

『はい』

しばらく歩いて行くと、飽きてしまったのか子供達は立ち止まりやがて引き返して行った。

整備されたアスファルトの道路から水田を横切るようにして山道へと続く細い道を歩き、獣道を少し広くした程度の山道へと入る。

傾斜が妙に激しく、ゴツゴツした岩が多い。
火山岩なのか表面に穴が空いた岩ばかりだ。

『都会の人にはキツイでしょ?もう少じ行っだら紅猪の狩り場でずわ。ええ赤身の肉なんで、鍋なんがにして冬は食べるんだわ』

一郎さんは本当に狩りが好きなようで、狩り場に着くまであれこれ手振り身振り教えてくれた。

『ここが僕が気にいっどる紅猪の狩り場ね。キジも獲れるば』

狩り場と言われてもいまいちピンとこなかった。
今まで歩いてきた獣道を少し外れた程度にしか思えない。

『ここは白樺が多いでしょ?だがら獲物は隠れでも色で分かりやすいんだっぺよ。杉だどか松だど同化しちまってわかりにくいっぺ』

なるほど。
そういう事なのか。
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