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鬼ヶ瀬塚村
第24章 餓鬼
一郎さんは一面緑色の愚ノ猪の狩り場を真っ直ぐと見つめていた。

『僕が…選ばれでだら…僕がノブを…ノブぐんを仕留めだのに…ぞうずれば…彼ば生ぎでだばずだ。僕ば一度だっで殺めだ事ばない…優子の為にも選ばれだがった…げんど、占いの結果…僕はあの日狩りにば加われながっだ…』

『友達が…殺してしまったんですね?』

一郎さんはゆっくりと頷いた。

『幼なじみの小太郎の野郎が…脚を狙っだハズが腿の脛動脈に射っぢまっだぁ…僕なら…もう少し下を狙っだ筈だ…』

一郎さんは静かにその場に座り込んだ。

『ごの狩り場で生き残っだ"獲物"ばもう誰がらも責められるごどばねぇっぺ。罪を償う傷を負っだんだがんな…げんど、死んでまじっだ"獲物"は鬼神様の元へ行ぐんだ…ぞれば…名誉な事なんだ』

"名誉な事"にしているのだろう。

獲物は矢から逃げる。
マタギ達は殺さないよう矢を射る。
生きたい気持ちと殺したくない気持ちが平行線で続く。
歯痒いなと思った。

『走り続けなければならないんですか?』

止まっていればマタギが傷が浅く残る部分を狙うだろう。死なないように。

『"獲物"ば猪だ…猪っでぇのざ追い掛げられる迄止まるごどばねぇ…猪ば走り続げるんだ…』

ああ…
『…僕が15歳の時…漫画を描かなければ…』

宗二さんはこんな場所で狩られる事はないのに。

『よぉわがらんが、自分ば責めんな。おめば鬼神巫女の生ぎ甲斐様なんだがんねぇ』
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