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鬼ヶ瀬塚村
第25章 奴奴
『馬鹿みたい………馬鹿みたい…なんなの?なんなの?どうして?………意味がわからん………どうして?』

奴奴は壊れたように繰り返す。

『落ち着いて話してください』

真理子さんが再び淡々と事務的に言う。
ちょっと酷くないか?そう思った。

『……すみません…もう、訳がわからなくて………馬鹿みたいで…情けなくて………死にたい…』

奴奴は泣いた。
顔がまるで重い物を持ち上げた時のようにクシャクシャだ。
真っ赤に上気した頬がぴくついている。

彼は今すぐにでも人生に負けそうだった。

『死にたいのでしたら…こちらとしては依頼をお受け出来ませんが?』

なんて言い方だ。

『………すみません…もう…頭が回らなくて………頑張ります…頑張りますから………助けてください………』

『わかりました。受託させて頂きます。現時点では処理金額に400万を頂きます』

『400万…ですか?』

『はい、一括でお願いします』

『………わかりました。車のシートに…600万あります………』

『わかりました。後程別の者が確認致します。何か質問はありますか?』

『あ………あの…僕は会社を休んでます………銀行口座から金もおろしました………』
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