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鬼ヶ瀬塚村
第26章 箱
箱は昔に残された古い坑道を掘り出して作られていると一郎さんが教えてくれた。
中には巨大な釜風呂があり、それを囲うようにして"仕上げ室"があるのだそうだ。
天井部分はくり抜かれており、洞窟のようなのだと一郎さんは言う。
仕上げ室の地面から約80mにも渡って上空へと繋がる巨大な穴があり、見上げると空が見えるのだ。

ちょうどドーム球場を小さく縮めて縦に伸ばしたような物を想像すればいいと言われた。

メインで使われるのがその仕上げ室らしいが、そこはまだ箱の中央部分でしかなく更に地下へと様々な空間があるのだそうだ。

一郎さんに言われた通りに僕は空を見渡しながら箱を探した。
荒岩家のガレージからすぐに庭を抜け、道路を歩きながら辺りをキョロキョロする。
空がやけに快晴なのが違和感だった。
こんなに素晴らしい天気なのに、繰り広げられている事は殺人の隠蔽だ。

妙に硫黄臭が濃い気がする。鬼流しの湯から流れてきた物ではないと僕はわかっていた。
これは仕事をしている臭いだ。

歩いていると途中何台かの軽トラックとすれ違った。荷台には木箱や大きな壺が並んでいるのが見えた。
多分仕事道具なのだろう。溶かしたり、焼いたり、煮詰めたりする為の何かなのだ。

軽トラックの後ろを骸骨が何匹か走って追いかける姿が見えたような気がした。

やはり、ちゃんと食べなくちゃ駄目だなと思った。
眼鏡がなくて余計に目が疲れているのかもしれない。
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