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鬼ヶ瀬塚村
第26章 箱
確かにこの村に居れば真理子さんのようなホラー漫画の一つでも描けるかもしれないな。
辺り一面平和そのものの田舎の夏なのに、その景色の裏にはそこかしこと死が眠っている。

見上げたまま歩いていくと竹林の山から蒸気がモクモク上がっていた。

そこが箱らしい。
僕はその蒸気を目指して歩いて行った。

色んな考えが頭によぎった。
奴奴はどうしているのだろうか?
牢屋で自殺だとかしていないだろうか?
箱の中はどんな構造なのだろう?
もし死体を見てしまったらどうしたらいい?

考えているうちに蒸気はすぐ目の前に迫った。

竹林の山裾部分に面した道路に何台も軽トラックやワゴン車が並んでいた。
村人も何人か見えた。
談笑していたり、子供を抱っこしてあやしていたり、煙草を味わっていたり…それぞれがそれぞれに箱の前にいた。

僕が近付くと麦わら帽子の壮年の男性がこちらを見た。
少し驚いた表情で彼は煙草を口から離した。

『あんだ、荒岩の噂のボーイフリェンドが?ほれ、とーぎょーのだんこだろ?真理ぢゃんのボーイフリェンドだろ?』

『はい、田中と言います』

『何が用が?』

男の黒い長靴には何かよくわからない液体が付着して光っていた。
赤く見えた気がする。
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