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鬼ヶ瀬塚村
第26章 箱

『一郎さんに言われて達弘さんを呼びに来ました。彼は今どこに?』
『あ゙ー達坊に用が?中で作業ばしどるば』
『入っても大丈夫ですか?』
『大丈夫だっぺよ。入り口まで連れでっでやるよ。なんづっだっでぇ、真理ぢゃんのボーイフリェンドだがらな』
男は煙草を揉み消すとガハハハハッと笑った。
『ほれ、ごっちじゃ。着いてごい』
男は竹林の山道入り口へと歩いていく。
湿度が急激に上がり、肌が嫌な粘着性を持ちはじめた。
汗も流れて止まらない。
そしてやはり臭かった。
少しばかり日が過ぎた豚肉なんかを冷蔵庫から出した時の臭いとは比にならない。
もっと硫黄臭いというか、ドブ川のような臭いだ。
男に続いて山道を歩いていく。
途中、何人か村人がいた。休憩しているのだろうか?しゃがみこんで汗を拭っている。
皆一様に僕を物珍しそうに見ていた。
『もう着くっぺよ』
男に言われて前方を見る。小さな坑道の入り口があった。
何人かその前でたむろしている。
子供の姿もあった。
『中は最初は暗いっぺよぉ、足元気ぃづげるば?』
男は坑道入り口まで僕を案内すると"はよぉガキんぼさこしらえろよ?"と笑い、引き返していった。
『あ゙ー達坊に用が?中で作業ばしどるば』
『入っても大丈夫ですか?』
『大丈夫だっぺよ。入り口まで連れでっでやるよ。なんづっだっでぇ、真理ぢゃんのボーイフリェンドだがらな』
男は煙草を揉み消すとガハハハハッと笑った。
『ほれ、ごっちじゃ。着いてごい』
男は竹林の山道入り口へと歩いていく。
湿度が急激に上がり、肌が嫌な粘着性を持ちはじめた。
汗も流れて止まらない。
そしてやはり臭かった。
少しばかり日が過ぎた豚肉なんかを冷蔵庫から出した時の臭いとは比にならない。
もっと硫黄臭いというか、ドブ川のような臭いだ。
男に続いて山道を歩いていく。
途中、何人か村人がいた。休憩しているのだろうか?しゃがみこんで汗を拭っている。
皆一様に僕を物珍しそうに見ていた。
『もう着くっぺよ』
男に言われて前方を見る。小さな坑道の入り口があった。
何人かその前でたむろしている。
子供の姿もあった。
『中は最初は暗いっぺよぉ、足元気ぃづげるば?』
男は坑道入り口まで僕を案内すると"はよぉガキんぼさこしらえろよ?"と笑い、引き返していった。

