この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
鬼ヶ瀬塚村
第26章 箱
仕事をしている音なのだと思う。
工場や溶接場から聞こえるような音だった。

どれ程下りが続くんだろう?
誰もいない僕だけの坑道を僕はレールに沿って歩いていった。

やがて青白い光が見えてきた。
突き当たりには何か見えた。
青白い蛍光灯に照らしだされたのは…エレベーターだった。

モーター電池で電力を供給しているのか機械音が耳に痛い。

ボタンはたった一つだけだった。
とても不気味に思えた。
田舎の穏やかな竹林から古い坑道に入り、行き着いた場所にはその場に不釣り合いな程現代的なエレベーターがあったのだから。

まただ、その違和感がとても恐ろしかった。

この緑豊かな鬼ヶ瀬塚村に点々と散らばる文明の数々、真新しい家屋や錆び一つない街灯、そして表面がツルツルしたアスファルトの道路。

それらは一言も喋りはしないが、ただ存在するだけで圧倒される不気味さがある。

それを更に強くした不気味さを、この目の前のエレベーターは秘めていた。

乗ってしまえばもう地上に戻れないんじゃないだろうか…そんな不安すらよぎる。

例えるなら、近代的過ぎる地獄の入り口だ。
ああ、漫画の話のようだ…僕は思った。

意をけっして僕はボタンを人差し指で押した。
何故だかわからないが"真"と表示されたそのボタンは点滅し、そして扉に出力を通す。
扉がゆっくりと開いた。
/486ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ