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鬼ヶ瀬塚村
第26章 箱
中は広く湿った空気が満ちていた。
乗り込むと扉がゆっくり閉まった。

ボタンは同じように一つしかない。押し込むようにして押すと2~3度揺れて動きだした。

下降していくエレベーターの中で僕は言い知れぬ胸騒ぎがあった。
落ちていくほど音がする。
何か硬い物を叩きつけるような音、乗った事はないけれど蒸気機関車のような音…それが足元から身体に響いてくる。

ビリビリと足の裏から頭のてっぺん、ちょうどつむじまで音が身体の中を這い上がっていく。

息をするのも辛く暑苦しい空間で、僕は扉の向こうに見えるゴツゴツした岩の壁を見つめていた。

下降速度が弱くなり、エレベーターは静かに停止した。

随分地上から地下にやって来たものだ。
先に一体どんな物があるのだろう。

扉が開き、エレベーターの外に出る。3m程の短い廊下の先には大きなアルミ性の扉がたたずんでいた。

音が一層強く聞こえる。
やけに明るく照らされたその廊下は不気味な3mだった。
明るいのに、その人工的過ぎる蛍光灯の光がなんだか怖かった。

人間は本能的に暗闇を恐れるけど、未知が先にあるのなら光もまた怖がるのだと僕は思った。

扉に近付き僕はそっと両手の指先を当てた。

指先からビリビリと音が伝わってくる。
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