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鬼ヶ瀬塚村
第27章 和幸

僕と達弘さんは終始無言のまま荒岩家に戻ってきた。
ガレージでは一郎さんが腰をおろして休憩していた。その傍らでは紗江さんの姿もあった。
何やら収穫や隣村の話など世間話をしているようだった。
彼女の小さな背中には赤ん坊が縛りつけられており、気持ちよさそうに眠っているのが見えた。
一郎さんは僕と達弘さんを見て立ち上がった。
『暑い中ご苦労ざんだっぺよ。達弘ぐん、中敷ぎ替える作業手伝っでぐれん?達弘ぐんの十八番でしょう?』
達弘さんはチラッと紗江さんを見てから相変わらず不機嫌そうに頷いた。
『わがっだ、手伝ってやるっぺよ。おら、紗江、おめも手伝え?』
『えー?あたじも?ヤダっぺよ。ぞごのよそもんにやらせれば良いっぺよ』
『ノブさんは体調悪いんだッ!おめがやれッ!!』
達弘さんが怒鳴るとスヤスヤ眠っていた赤ん坊がグズりはじめた。
『おっがない父ちゃんだねぇ、大丈夫だっべよぉ』
背中を軽く揺すり、紗江さんは赤ん坊をあやした。
『和幸の面倒があるっぺ、あたじ無理だっぺよ』
『じゃがましいじょこだなッ?和幸ばノブさんに預けどげや』
達弘さんが僕を見る。
『ノブさん、和幸の面倒見てでぐれんか?』
『僕がですか?』
ガレージでは一郎さんが腰をおろして休憩していた。その傍らでは紗江さんの姿もあった。
何やら収穫や隣村の話など世間話をしているようだった。
彼女の小さな背中には赤ん坊が縛りつけられており、気持ちよさそうに眠っているのが見えた。
一郎さんは僕と達弘さんを見て立ち上がった。
『暑い中ご苦労ざんだっぺよ。達弘ぐん、中敷ぎ替える作業手伝っでぐれん?達弘ぐんの十八番でしょう?』
達弘さんはチラッと紗江さんを見てから相変わらず不機嫌そうに頷いた。
『わがっだ、手伝ってやるっぺよ。おら、紗江、おめも手伝え?』
『えー?あたじも?ヤダっぺよ。ぞごのよそもんにやらせれば良いっぺよ』
『ノブさんは体調悪いんだッ!おめがやれッ!!』
達弘さんが怒鳴るとスヤスヤ眠っていた赤ん坊がグズりはじめた。
『おっがない父ちゃんだねぇ、大丈夫だっべよぉ』
背中を軽く揺すり、紗江さんは赤ん坊をあやした。
『和幸の面倒があるっぺ、あたじ無理だっぺよ』
『じゃがましいじょこだなッ?和幸ばノブさんに預けどげや』
達弘さんが僕を見る。
『ノブさん、和幸の面倒見てでぐれんか?』
『僕がですか?』

