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鬼ヶ瀬塚村
第27章 和幸
『んだよ』

『え…でも、僕…』

『あたじ嫌だよッ!こげんよそもんにうぢの和幸ば預けられるがッ!』

紗江さんが激しく喚きちらすと、背中の和幸は咳き込むように泣き出した。

『ほれほれ、和幸ば泣いどるが…紗江ぢゃん、構わんだろ?信人ぐんば今日沢山頼みごどじで疲れでるっぺよ?』

一郎さんが紗江さんの背中から和幸を抱き上げると、和幸は顔を梅干しみたいにくしゃくしゃにして大人しくなった。

『ええだんこじゃあ~、ほれぇ和幸、信人ぐんだよ~』

一郎さんが和幸を優しく揺すりながら僕に見せてくる。
茶色く愛くるしい目が印象的だ。
くりくりしていてまるでよく実ったドングリのようだ。

『仕方ないっぺな。良いが、よそもんッ!泣かしだりすんなよッ!?』

紗江さんが吐き捨てると一郎さんは僕の腕へと和幸を渡してきた。
丸くて柔らかい。

『信人ぐん、ちぃと中で見といでやっでぐれや?』

一郎さんから和幸を受け取り、僕は腕の中の小さな生命を見下ろした。
思わず顔もほころぶ可愛い赤ん坊だった。

達弘さんは少し不機嫌だったが"頼むば、ノブさん"と頭を下げる。
紗江さんは振り向きもしなかった。

『じゃあ、居間にいますので何かあったら言って下さい』

僕は和幸を抱っこしたままガレージを後にした。
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