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鬼ヶ瀬塚村
第27章 和幸

和幸は愛くるしい笑みを浮かべながら僕の腕の中で芋虫みたいに動いていた。
居間には生憎誰もおらず、僕は和幸を揺すりながら彼に話しかけていた。
『いい子だねぇ、パパ似かな?ママ似かな?』
クルクルとうねる茶色い髪に大きな目、ツンと上向きの鼻に小振りな唇。
恐らく達弘さんではなく紗江さんに似たのだろう。
まるで天使のようだ。
『ママ似だね?将来はかっこよくなるね~、良かったね~』
キャッキャッキャッキャッと笑う和幸がどうしようもなく可愛かった。
『ノブ、何してんの?』
不意に名前を呼ばれて顔を上げると、調理場の暖簾から真理子さんが顔を出していた。
彼女は和幸を見ると慌てて駆け寄って来た。
まるでスライドする様に僕の隣に座ると、和幸の顔を覗き込む。
今まで見た事がない程真理子さんの顔はニヤけていた。
『やだぁ~、嘘ぉ~!ねぇ、和ちゃん?和ちゃんだよねッ?』
和幸はキャッキャッキャッキャッと答える。
『達弘さんに預かるよう言われたんだ』
『そうなんだぁ、なんて可愛い赤ちゃんなの!ねぇ、抱かせてよ!』
『真理子さん抱っこ出来るの?』
『失礼ね、これでも優子抱っこしたりしてたのよッ?』
居間には生憎誰もおらず、僕は和幸を揺すりながら彼に話しかけていた。
『いい子だねぇ、パパ似かな?ママ似かな?』
クルクルとうねる茶色い髪に大きな目、ツンと上向きの鼻に小振りな唇。
恐らく達弘さんではなく紗江さんに似たのだろう。
まるで天使のようだ。
『ママ似だね?将来はかっこよくなるね~、良かったね~』
キャッキャッキャッキャッと笑う和幸がどうしようもなく可愛かった。
『ノブ、何してんの?』
不意に名前を呼ばれて顔を上げると、調理場の暖簾から真理子さんが顔を出していた。
彼女は和幸を見ると慌てて駆け寄って来た。
まるでスライドする様に僕の隣に座ると、和幸の顔を覗き込む。
今まで見た事がない程真理子さんの顔はニヤけていた。
『やだぁ~、嘘ぉ~!ねぇ、和ちゃん?和ちゃんだよねッ?』
和幸はキャッキャッキャッキャッと答える。
『達弘さんに預かるよう言われたんだ』
『そうなんだぁ、なんて可愛い赤ちゃんなの!ねぇ、抱かせてよ!』
『真理子さん抱っこ出来るの?』
『失礼ね、これでも優子抱っこしたりしてたのよッ?』

