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鬼ヶ瀬塚村
第27章 和幸
『避けられないの?みんなを説得して…真理子さんから言えばみんなきっとわかってくれるよッ?』

真理子さんは目蓋をギュッと閉じて首を左右に振った。

『駄目よ、掟なんだから』

『ば…馬鹿げてるよ!彼を殺すのかッ!』

僕の言葉が音となって空間に生まれた次の瞬間、僕の目の前の視界はブレた。
何重もの色が虹のアーチのように横長の線を描いている。
そしてジワリジワリと左頬が熱くなり、針の先で軽く刺されているような感触がした。

僕は左手で反射的に左頬を押さえた。

『私だって…やりたく無いわよッ!』

ようやくビンタされたのだと気付いた。
久しぶりのビンタだった。

『ごめん…』

『…ごめん、私こそ…殴るつもりは無かったのよ』

大きな声を上げたにも関わらず、和幸は大人しく眠っていた。
慣れているのか肝が座っているのか、たいした赤ん坊だ。

『私だって出来ればやりたく無いわよ。みんなそう思ってるわ…でも仕方がないのよ。お父さんだけが許されたら、他も許さなきゃなら無い…そしたら村はおしまいよ…』

『うん…ごめん』

『私こそ…ごめんね』

和幸を挟んで2人に沈黙が流れた。
分厚く重い沈黙だった。
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