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鬼ヶ瀬塚村
第27章 和幸

スヤスヤと可愛らしい和幸の寝息が聞こえる中、真理子さんの華奢な肩が震えていた。
不意に廊下からいつものようにキュッキュッキュッと足音が聞こえ、真理子さんは慌てて涙を拭った。
『ノブさん、ちょっと良いが?』
居間にやってきたのは汗びっしょりの達弘さんだった。
『あら?もう済んだの?早いわねぇ』
『いんや、まだだっぺよ…ぢぃど野暮用があっでな戻って来だんだっぺ。和幸は良い子にじどるが?』
『お陰様で随分大人しいのねぇ、優子が赤ん坊の時とは大違いだわ。で、用って何よ?』
達弘さんは我が子である和幸から僕に視線を落とし、懇願するような表情を浮かべた。
まるでいつか見た子犬のような顔だ。
『ぢぃど来で貰いだいんだわ』
『ガレージですか?手伝いますよ』
僕が腰を浮かすと達弘さんはソワソワしながら真理子さんと僕をチラチラ見ながら答えた。
『ん…まぁ…ええがら来でぐれや』
『ノブ、行ってきてあげなさいよ』
『良いですよ達弘さん、行きましょう』
僕は立ち上がり達弘さんに続いて廊下に出た。
達弘さんは無言だったが、なんだか背中がいつもに増して小さく見えた。
玄関でスニーカーを履き、達弘さんの後に続く。
不意に廊下からいつものようにキュッキュッキュッと足音が聞こえ、真理子さんは慌てて涙を拭った。
『ノブさん、ちょっと良いが?』
居間にやってきたのは汗びっしょりの達弘さんだった。
『あら?もう済んだの?早いわねぇ』
『いんや、まだだっぺよ…ぢぃど野暮用があっでな戻って来だんだっぺ。和幸は良い子にじどるが?』
『お陰様で随分大人しいのねぇ、優子が赤ん坊の時とは大違いだわ。で、用って何よ?』
達弘さんは我が子である和幸から僕に視線を落とし、懇願するような表情を浮かべた。
まるでいつか見た子犬のような顔だ。
『ぢぃど来で貰いだいんだわ』
『ガレージですか?手伝いますよ』
僕が腰を浮かすと達弘さんはソワソワしながら真理子さんと僕をチラチラ見ながら答えた。
『ん…まぁ…ええがら来でぐれや』
『ノブ、行ってきてあげなさいよ』
『良いですよ達弘さん、行きましょう』
僕は立ち上がり達弘さんに続いて廊下に出た。
達弘さんは無言だったが、なんだか背中がいつもに増して小さく見えた。
玄関でスニーカーを履き、達弘さんの後に続く。

