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ヒロイン三国ファンタジー
第14章 14 英雄たちの死・1
「婚礼を受け入れてくださってありがとうございます。もう劉備殿を思うことはおやめください。私がお仕えいたします故」

「それは、あたくしの勝手でしょう。心までそなたに嫁ぐ気はない」

「そうですか。確かにそれはすぐにどうにかなるものではありませんからね。しかし――」

 陸遜は尚香の両手を素早く取り、腰ひもでさっと縛り上げる。

「何をする。契りを拒んだりするようなおぼこではないぞ」
「ええ。あなたは江東の女傑。一度受け入れたものを拒むことはありません。責任感もお強いですからね。ただ、これははずして頂きたい」

「ふぐっ」

 陸遜の手は尚香の股に入り素早く張形を引き抜いた。

「う、ううっ、よくも」
「私はあなたに抱かれにきたのではありません。あなたを抱いて孕ませたいのです」

「ふんっ、好きにするがいいっ」

 きっと睨みつけはするが尚香は駄々をこねるような幼い真似はしなかった。

 陸遜は優しく横たわらせ、尚香の唇を求める。すっと反らす横顔を無理強いすることなく陸遜は頬を舐め、耳たぶをかじり首筋に舌を這わせる。

 陸遜が動くたびに粉っぽい甘い香りが漂う。
尚香は玄徳の男装と陸遜の女装が脳裏に浮かび混乱するような心持である。
その中で自分自身がどこを漂いどうなっているのかが見つからない。
相手が男なのか女人なのか自分がどっちなのか、曖昧なまま陸遜の執拗な愛撫を受ける。

「尚香様は張形のせいでここの歓びを知らないのではありませぬか?」
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