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ヒロイン三国ファンタジー
第2章 2 群雄割拠
 袁紹を始め曹操以外の鎮諸侯たちは玄徳たちを冷ややかな目で見ていたが、関羽が董卓軍の猛将・華雄を倒したことにより一気に好意的な眼差しに変わった。
 曹操は改めて己の鑑識眼を自負し、そして劉備の陣営を尋ねる。

「いかがですかな? 今回の活躍で家来も増えましたしますます活躍できるでしょう」
「これはこれは曹操どの。このような待遇を受けるのもあなたのおかげです」
「いやいや。あなたの力の賜物でしょう」

 曹操はちらちら玄徳を見ながら値踏みをし、このものをどうにか自分の配下に加えられないものかと思案していた。
玄徳もまた曹操は今まで出会った諸侯と一風変わった、しかしとてつもない力を秘めていると直感的に感じ緊張している。

 曹操は人払いをさせ玄徳と密室で二人きりになる。玄徳は息苦しさを感じ、まるで曹操が大蛇のように思えた。

「玄徳殿。私には身近なものにしか知らせていないことがあるのだ」
「はあ」

 玄徳は自分よりも少し小柄な小男が何を言いたいのか分からなかったが、近づいてくる曹操に身体が硬直し身動きすることが出来ずにいた。

「私は玄徳殿が欲しいと思っているのだ」
「え……」
「ふふふっ」

曹操はバリと勢いよく糊で漬けられていた髭をはがし、漆黒の艶やかな髪をバサッと広げ劉備に迫る。

「あ、あなたは……」

にやにやと薄い唇を曲げ胸元を開け見た目よりもずいぶんと豊満な乳房を玄徳に押し付けてくる。

「玄徳殿。私のものにおなりなさいな」

 無理やり唇を重ね曹操は玄徳の胸元を広げる。

「あっ! だ、め」
「これは……」

 曹操ほどの豊かな膨らみはないにせよ玄徳が女人であることは一目瞭然である。

「私とおなじでしたか。どうりで」
さっと胸元を元に戻し玄徳は「女人と分かった以上ご興味をそがれたでしょう」と落ち着いて襟を正すが、曹操は何も堪えない様子で「ふふふっ、男も女も変わりませんからな」と手を止めようとはしない。
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