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ヒロイン三国ファンタジー
第23章 23 三国を巡って
「このまま三国が鼎立していくのであろうか?」
官渡を通り、汜水関にて父、孫堅を想い、洛陽入りをする。
「やあ、これはまた立派だ」
城門の大きさ、頑丈さに目を見張る。馬を降り、引きながら門番の元へ行き、手形を見せると何の警戒もせずに城下内に通された。その時である。遠方から黒い塊が見え始め、あっという間に門の前に整列した軍の中から老いた文官が出てくる。門番は慌てて「し、司馬将軍!」と恭しい態度をとる。
司馬懿は鋭い目で門番に「わしらが入ったらすぐに閉めよ」と言い、さっと駆け抜け宮殿へと向かって行った。
尚香は隅で大人しく様子を見、これが司馬懿による、政変であると理解した。
「まさか、魏王朝が倒れるのか」
洛陽を眺めたら、一度呉に戻ろうかと思っていたところであったが、ここはしばらく留まりゆく末を見守ることにした。

――魏皇帝の曹芳を抱きかかえた曹爽は政敵である司馬懿が夫人の張春華を亡くした後、病に伏したとのうわさを聞き、真偽を確かめるべく腹心である李勝に探りを入れさせた。
 見舞いと称し訪れると司馬懿は李勝の事を誰か分かっておらず、食べ物もこぼし、何度も同じことを話す。李勝はこの仮病に騙され、油断した曹爽はあろうことか、曹芳をともない祖先の墓参りに高平陵へ一族総出で出かけてしまう。
この機を逃さぬと、司馬懿は大軍を率い、都に押し入り、曹芳の母親である郭太后に曹爽を討つための詔を賜る。
こうしてこの高平陵の変をもって政敵、曹爽は討たれ、政権は曹家から司馬家に移ることとなる。
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