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ヒロイン三国ファンタジー
第24章 24 魏の末路
 二年ほど経ち司馬昭も落ち着いた頃、亡き、諸葛瑾、諸葛亮の遠縁にあたる諸葛誕により反乱がおきる。
先ほど滅ぼされたカン丘倹と同じ立場であった諸葛誕は不安を覚え、また司馬家の専横ぶりに不満が募り、諸葛誕の乱を起こさせる。
しかし司馬昭の腹心である賈充の素早い策により、反乱は早々に見破られる。十数万の兵をもって挑み、呉から、カン丘倹の乱で逃げ延びていた文欽らの援軍が与えられたが、劣勢となり、もともと折り合いの悪かった文欽を斬ってしまう。その子らは憤り、司馬昭に投降する。諸葛誕は最後まで戦い抜いたが破れ、三族皆殺しとなりこの乱は幕を閉じる。

 その功績をたたえ、4代皇帝曹髦は司馬昭に、相国、晋公に封じようとしたが彼は辞退する。司馬昭は兄の司馬師にも、もちろん父の司馬懿にも、まだまだ及ぼない己の力のなさ故の辞退であり、二年経ってやっと司馬昭はその地位を受ける。
周囲からの勧めや、援助などによりようやく決心がついたためである。
 しかしこの行為を否定的にとらえるものがあった。それは郭太后であった。

 彼女は、かつて魏王朝、初代皇帝、文帝が漢王朝の最後の皇帝、献帝を廃するときに三度譲位を断ったと聞いている。
おそらく司馬昭も殊勝な心構えを皇帝、他、家臣たちに訴えているに違いないと考えた。このままでは愛しい曹髦を廃されてしまうと急ぎ、密談を始める。

 司馬昭の国家簒奪の陰謀を曹髦に訴えるが「司馬一族は代々、臣下として仕えておる。司馬昭は忠義者であるぞ」と笑って耳を貸さない。
褥まで共にしているのに曹髦は己ではなく、司馬昭を信用するのかと郭太后憤り、側近の配下である王業・王沈・王経に打ち明ける。
彼らは司馬家の専横に不満を抱いており、郭太后に賛同する。

 王業と王沈は言葉巧みに曹髦に司馬昭の悪行を並べ立て吹聴し、時間をかけて司馬家を廃するよう説得する。討論が好きで聡明であるが曹髦はまだ19歳の青年である。
結局狭い世界で異論を戦わせることが出来ずにいた若き皇帝は、老獪な臣下と郭太后の意見に取り込まれてしまうことになる。 
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