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ヒロイン三国ファンタジー
第26章 26 呉の終焉
「僧会殿。素晴らしいお話でした」
「これはこれはお聞きくださりありがとうございました。ところで失礼ですがあなた様は」
「失礼。孫権の妹で尚香です。旅をしておりましたのでこのような男のなりなのですよ」
男装と男言葉がすっかり身についてしまい、尚香は今では武将の風格が身についている。
「ああ、あなたが。主君からお聞きしています。とても立派な妹君であると」
「いえいえ。ところで、先ほどの少年は?」
「おや、ご存じないですのか?」
「今、旅から戻ったばかりなのだ」
「ああ、これはいけない。ご主君は病に伏しておられるのですよ。そして先ほどのお方は孫晧様です」
「あれが孫晧? 兄上が病とな。それでは急ぎ戻ろう。また参ります」
「ええ、ええ是非」
孫権の話を聞き、慌てて屋敷に向かう。しかしさっきの利発そうな少年が、孫権の孫である孫晧ということにお驚いた。一度だけ見た孫晧はまだ生まれたばかりの赤子であった。
「時が流れるのは早いものよ」
夫の陸遜を亡くし、自分の中で時間が止まっているような感覚を得ていたが、世の中は流れ赤子は少年にとなり、そして兄の命が尽きようとしていた。
「これはこれはお聞きくださりありがとうございました。ところで失礼ですがあなた様は」
「失礼。孫権の妹で尚香です。旅をしておりましたのでこのような男のなりなのですよ」
男装と男言葉がすっかり身についてしまい、尚香は今では武将の風格が身についている。
「ああ、あなたが。主君からお聞きしています。とても立派な妹君であると」
「いえいえ。ところで、先ほどの少年は?」
「おや、ご存じないですのか?」
「今、旅から戻ったばかりなのだ」
「ああ、これはいけない。ご主君は病に伏しておられるのですよ。そして先ほどのお方は孫晧様です」
「あれが孫晧? 兄上が病とな。それでは急ぎ戻ろう。また参ります」
「ええ、ええ是非」
孫権の話を聞き、慌てて屋敷に向かう。しかしさっきの利発そうな少年が、孫権の孫である孫晧ということにお驚いた。一度だけ見た孫晧はまだ生まれたばかりの赤子であった。
「時が流れるのは早いものよ」
夫の陸遜を亡くし、自分の中で時間が止まっているような感覚を得ていたが、世の中は流れ赤子は少年にとなり、そして兄の命が尽きようとしていた。