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ヒロイン三国ファンタジー
第26章 26 呉の終焉
「今いる息子たちは誰の子じゃ」
陸晏も陸景も赤子ながら顔立ちはみな陸家のものであるが念のため尋ねる。
「勿論、主人です! 本当です! 決して嘘はつきません! 今度のことも、隠し立てするつもりはあませんでした……」
「ふむ。では抗とは離縁してそなたはその男のところに行くがよい。ただし、二度と戻らせぬし、息子たちにも会せぬぞ?」
「ええ、ええ。承知の上です」
悪い女人ではなかったが、大人しい陸抗の妻にしては忍耐力が足りないし、教養は高いが浅はかであった。いつかはこういう日が来るのであったらろうと、責めることもなくほどほどの財産を渡してやり、家を出させた。
幸い陸晏も陸景も4歳と3歳であるが母を恋しがる様子はなく、尚香にすぐになついた。
腹にすでに他の男の子がいるとは告げず、しかし情人ができたことは告げる。
そうでなければ陸抗はすぐにでも連れ戻しに行くであろう。
「そうですか……。男が……」
「……」
母親として尚香は頭を抱えるが、愛情のない夫婦関係にも誠実であろうとする陸抗に、夫の陸遜の面影を感じ、妾を作ればよいなどと思うはずもなかった。
「致し方無い。縁が薄かったのであろう」
「そう、ですね」
残念ではあるが、やはり愛着はなかったのであろう、陸抗はこの状況を受け止めている。
「それよりも、これからはよく人物を見極めよ。兄上がなくなってすでに一年経つが朝廷はまだまだ安定はせぬ」
「はい」
素直な陸抗はすでに己のやるべきことに目を向ける。そんな息子の姿を自慢にも思うが、寂しくも感じていた。
陸晏も陸景も赤子ながら顔立ちはみな陸家のものであるが念のため尋ねる。
「勿論、主人です! 本当です! 決して嘘はつきません! 今度のことも、隠し立てするつもりはあませんでした……」
「ふむ。では抗とは離縁してそなたはその男のところに行くがよい。ただし、二度と戻らせぬし、息子たちにも会せぬぞ?」
「ええ、ええ。承知の上です」
悪い女人ではなかったが、大人しい陸抗の妻にしては忍耐力が足りないし、教養は高いが浅はかであった。いつかはこういう日が来るのであったらろうと、責めることもなくほどほどの財産を渡してやり、家を出させた。
幸い陸晏も陸景も4歳と3歳であるが母を恋しがる様子はなく、尚香にすぐになついた。
腹にすでに他の男の子がいるとは告げず、しかし情人ができたことは告げる。
そうでなければ陸抗はすぐにでも連れ戻しに行くであろう。
「そうですか……。男が……」
「……」
母親として尚香は頭を抱えるが、愛情のない夫婦関係にも誠実であろうとする陸抗に、夫の陸遜の面影を感じ、妾を作ればよいなどと思うはずもなかった。
「致し方無い。縁が薄かったのであろう」
「そう、ですね」
残念ではあるが、やはり愛着はなかったのであろう、陸抗はこの状況を受け止めている。
「それよりも、これからはよく人物を見極めよ。兄上がなくなってすでに一年経つが朝廷はまだまだ安定はせぬ」
「はい」
素直な陸抗はすでに己のやるべきことに目を向ける。そんな息子の姿を自慢にも思うが、寂しくも感じていた。