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ヒロイン三国ファンタジー
第4章 4 徐州を巡って・2
「なあ。なんでそんなに暗くなってるんだ? 俺で良かったら聞くから元気出せよ」
「張飛殿……。あなたは優しいお人なのですね。さすがは玄徳殿と義兄弟の契りを結ばれているだけのことはある」
「よせやあい」
「ふふっ。つまらないことですが良かったら聞いてください。わたしは公孫サン殿や他の方々から玄徳殿や張飛殿、関羽殿の噂は耳にしていました。そしてわたしも仕えるなら是非、玄徳殿にと思いまだお会いせぬうちから慕っておりました。初めて玄徳殿を、公孫サン殿と手をつないで歩いているのを見たときです。わたしはまるで雷に打たれたかのように玄徳殿にくぎ付けになりました」
「手をつないでえ?」
「ええ。親しい学友ですので変ではありませんが、なぜかわたしはその時公孫サン殿を非常に不愉快に思ったのです。そしてその日からまるで、まるで、そう女人を想う気持ちのように、いえ、経験はないのですが、焦がれるような気持ちで玄徳殿を想ってきたのです」
「はあ……」
「呆れますよね。わたしはどこかおかしいのかもしれません」
真剣に悩んでいる趙雲にすっかり酔いのさめた張飛は同情し肩を優しく叩く。
「全然、おかしくねえよ」
「え……」
「俺も関羽兄貴も同じだ。趙雲よ、お前はちっともおかしくないさ」
「そうですか……。ならばよいですが」
慰めであろう張飛の言葉に趙雲は心が軽くなった気がしてた。更に張飛が「ちょっと待ってな。動くんじゃないぞ。その岩にでも座っていろ」と指示するので他にしたいこともなかった趙雲は黙って平べったい岩に腰かける。
きっと張飛は酒でも持ってきてくれるのだろうと夜空を眺めていた。
「張飛殿……。あなたは優しいお人なのですね。さすがは玄徳殿と義兄弟の契りを結ばれているだけのことはある」
「よせやあい」
「ふふっ。つまらないことですが良かったら聞いてください。わたしは公孫サン殿や他の方々から玄徳殿や張飛殿、関羽殿の噂は耳にしていました。そしてわたしも仕えるなら是非、玄徳殿にと思いまだお会いせぬうちから慕っておりました。初めて玄徳殿を、公孫サン殿と手をつないで歩いているのを見たときです。わたしはまるで雷に打たれたかのように玄徳殿にくぎ付けになりました」
「手をつないでえ?」
「ええ。親しい学友ですので変ではありませんが、なぜかわたしはその時公孫サン殿を非常に不愉快に思ったのです。そしてその日からまるで、まるで、そう女人を想う気持ちのように、いえ、経験はないのですが、焦がれるような気持ちで玄徳殿を想ってきたのです」
「はあ……」
「呆れますよね。わたしはどこかおかしいのかもしれません」
真剣に悩んでいる趙雲にすっかり酔いのさめた張飛は同情し肩を優しく叩く。
「全然、おかしくねえよ」
「え……」
「俺も関羽兄貴も同じだ。趙雲よ、お前はちっともおかしくないさ」
「そうですか……。ならばよいですが」
慰めであろう張飛の言葉に趙雲は心が軽くなった気がしてた。更に張飛が「ちょっと待ってな。動くんじゃないぞ。その岩にでも座っていろ」と指示するので他にしたいこともなかった趙雲は黙って平べったい岩に腰かける。
きっと張飛は酒でも持ってきてくれるのだろうと夜空を眺めていた。