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ヒロイン三国ファンタジー
第5章 5 徐州を巡って・3
「今日は大事なことをお教えします。天子にとって最も大事なものは何かお分かりですか?」
「最も大事なことか――なんであろう。教養も人徳も決断力も大事であろう? うーん。臣下であろうか」
「ふふふっ」
毅然としているが未だ幼い献帝は、あどけなく真剣に考え込んでいる。曹操は付け髭を取り、まとめた髪をおろし、胸元に忍ばせておいた紅をそっと唇に差した。
「も、孟徳?」
「お忘れでしたか? 私が女であることを」
「い、いや、知っておったが、そう改めてそのような姿を見せられると――」
怪しい魅力と抗えない威圧感に献帝は息をのむ。
「大事なことはしっかりした跡継ぎを作ること。自分の意志を受け継ぐものを」
「よ、世継ぎか」
「まあ、私のようなものもおりますが、やはり息子を持たねばなりません。天子と言えども命に限りがある。せっかく作り上げた天下泰平を自分の代だけで失くしてしまうことを回避せねばなりません」
「なるほど。確かにそうであるな」
「また残念ながら天子という立場であられても妃の全て自身の好むものを置けるとは限りません。つまりどのような女人が妃でも抱き、息子を産ませることが必須なのです」
「そ、そのような言われ方をすると――朕にはあまり自信がないな」
「ふふっ。ですから私が房中術をお教えいたしましょう」
「房中術とな」
「はい。今日はまず私に全て身を預けてください」
「わ、わかった」
「最も大事なことか――なんであろう。教養も人徳も決断力も大事であろう? うーん。臣下であろうか」
「ふふふっ」
毅然としているが未だ幼い献帝は、あどけなく真剣に考え込んでいる。曹操は付け髭を取り、まとめた髪をおろし、胸元に忍ばせておいた紅をそっと唇に差した。
「も、孟徳?」
「お忘れでしたか? 私が女であることを」
「い、いや、知っておったが、そう改めてそのような姿を見せられると――」
怪しい魅力と抗えない威圧感に献帝は息をのむ。
「大事なことはしっかりした跡継ぎを作ること。自分の意志を受け継ぐものを」
「よ、世継ぎか」
「まあ、私のようなものもおりますが、やはり息子を持たねばなりません。天子と言えども命に限りがある。せっかく作り上げた天下泰平を自分の代だけで失くしてしまうことを回避せねばなりません」
「なるほど。確かにそうであるな」
「また残念ながら天子という立場であられても妃の全て自身の好むものを置けるとは限りません。つまりどのような女人が妃でも抱き、息子を産ませることが必須なのです」
「そ、そのような言われ方をすると――朕にはあまり自信がないな」
「ふふっ。ですから私が房中術をお教えいたしましょう」
「房中術とな」
「はい。今日はまず私に全て身を預けてください」
「わ、わかった」