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ヒロイン三国ファンタジー
第1章 1 桃園の誓い
「なんと……それで……」
「うーむ。そのせいであったか」
関羽と張飛は顔を見合わせて納得した表情で頷き合っている。
「だますつもりはありませんでした。勿論私も天下が平定され皆が安心して暮らせることを願っているのです」
まっすぐな玄徳の表情を関羽と張飛はまぶしく感じこの人こそ我々が仕えるべき人であろうと思い始めていた。
「玄徳殿、いや我が君、あなたを主君として仰ぎ終生お守りし、天下泰平を成し遂げましょうぞ」
「ああ、関羽兄貴もそう思うか! 俺もそう思う!」
「ああ、頭をあげてください。私には武力も権力も経済力もありません。ただ漢室の末裔というだけであなたたちを配下になどとてもとても」
「いいえ! もうあなたについて行くことに決めました。理由など、漢室の末裔というだけでも十分ではありませんか」
「わしは命に代えてあなたをお守りします」
「なんと頼もしい。あなた方がいれば1万の大軍にも匹敵するでしょう。しかし主君というよりも義兄弟として契りを結びたいがいかがでしょう」
「おお! 義兄弟の契りを結びましょう」
「それはいい考えだ。場所を変えて改めて契りを結びましょう。良いところがあるのだ」
張飛はどんぐり眼を嬉しそうに輝かせ、屋敷の裏へと誘う。そこは桃の花が満開で甘く芳しい香りが漂っている。
「なんと。ここは桃源郷のようですね」
「玄徳の兄者、張飛はこう見えて可愛らしいものが好きなのですよ」
「いやあ、お恥ずかしい。お、ここの枝ぶりが玄徳兄者にとても良く似合いそうだ」
張飛は鋭い刃物でスルっと一輪の桃の花を切り落とし、玄徳の耳の上に差す。
「あ……」
ハッとして張飛は平謝りに謝る。
「す、すみません! 義兄弟の契りと言っておるのに、俺は……俺は」
大の男が泣きそうな赤ら顔を見せると関羽が慰めるように言う。
「仕方ない。兄者を女人と知った以上、お前のその気持ちはわしにもよくわかる」
「うーむ。そのせいであったか」
関羽と張飛は顔を見合わせて納得した表情で頷き合っている。
「だますつもりはありませんでした。勿論私も天下が平定され皆が安心して暮らせることを願っているのです」
まっすぐな玄徳の表情を関羽と張飛はまぶしく感じこの人こそ我々が仕えるべき人であろうと思い始めていた。
「玄徳殿、いや我が君、あなたを主君として仰ぎ終生お守りし、天下泰平を成し遂げましょうぞ」
「ああ、関羽兄貴もそう思うか! 俺もそう思う!」
「ああ、頭をあげてください。私には武力も権力も経済力もありません。ただ漢室の末裔というだけであなたたちを配下になどとてもとても」
「いいえ! もうあなたについて行くことに決めました。理由など、漢室の末裔というだけでも十分ではありませんか」
「わしは命に代えてあなたをお守りします」
「なんと頼もしい。あなた方がいれば1万の大軍にも匹敵するでしょう。しかし主君というよりも義兄弟として契りを結びたいがいかがでしょう」
「おお! 義兄弟の契りを結びましょう」
「それはいい考えだ。場所を変えて改めて契りを結びましょう。良いところがあるのだ」
張飛はどんぐり眼を嬉しそうに輝かせ、屋敷の裏へと誘う。そこは桃の花が満開で甘く芳しい香りが漂っている。
「なんと。ここは桃源郷のようですね」
「玄徳の兄者、張飛はこう見えて可愛らしいものが好きなのですよ」
「いやあ、お恥ずかしい。お、ここの枝ぶりが玄徳兄者にとても良く似合いそうだ」
張飛は鋭い刃物でスルっと一輪の桃の花を切り落とし、玄徳の耳の上に差す。
「あ……」
ハッとして張飛は平謝りに謝る。
「す、すみません! 義兄弟の契りと言っておるのに、俺は……俺は」
大の男が泣きそうな赤ら顔を見せると関羽が慰めるように言う。
「仕方ない。兄者を女人と知った以上、お前のその気持ちはわしにもよくわかる」