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ヒロイン三国ファンタジー
第7章 7 官渡の戦い前夜
 玉璽の扱いを聞き、玄徳はため息をついた。

「そういう奴なのですよ、孟徳は。さあさ、劉備殿」

 袁紹はにこやかな表情で民からの支持率も高く、献帝に皇叔と信頼を寄せられる玄徳をもてなし、自分の味方になるよう言葉巧みに自軍へ引き入れた。
玄徳は袁術を討った後、少しだけ曹操と距離をとるべく徐州に身を寄せていた。しかし、そのことが曹操の怒りを買いはっきりと敵対されてしまうのだ。

 更に悪い報告があった。董承とその娘である献帝の側室、董貴妃が曹操暗殺の陰謀発覚により亡き者にされたのだ。

 このことは玄徳の中で曹操を討つべきか否かということをはっきりさせる。

「孟徳は子供のころから冷酷なやつでしたよ。本当に女なのかというくらい。いや、女だからあれだけ非情になれるのでしょうね」

 袁紹の言い様に玄徳は苦笑いするしかなかった。
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