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ヒロイン三国ファンタジー
第10章 10 江東の女傑
 諸葛亮は趙雲を供としてつけ、玄徳を江東に向かわせた。
長江の上で船に揺られながら、玄徳は趙雲を呼ぶ。

「子龍、ここへ」
「はっ、我が君」

「久しぶりですね。こうしていられるのは」
「ええ。こうして水の上に漂っていると何をしに参っているのか忘れそうです」

「ふふっ、全くだ」

兵士たちの手前、抱き合うわけにはいかないが、少しだけ指先を触れ合わせるだけで玄徳も趙雲も満ち足りていた。


 江東の地に初めて足を踏み入れる玄徳は中原よりもくっきりとした色合いに魅せられる。建物も衣装も人も極彩色で、永遠の春のようである。

孫権の屋敷もまた見事な色調で異国のようだ。
見るものが全て新鮮で玄徳は戸惑いながらも久しぶりに明るい気持ちになっていた。

 孫権と彼の母親である呉夫人に会う。よく似た親子で表向き明るいが辛抱強く何を考えているのかわかりにくい印象をもっている。

 玄徳は孫尚香も彼らに似ているのであろうかと心配になった。政略結婚とはいえ、腹の探り合いをしたくはないものだと、亡くなった二人の夫人を秘かに偲んだ。

 派手で賑やかな祝宴が設けられ、大いに酒を飲まされた後、玄徳は解放され孫尚香の待つ屋敷へと促される。趙雲は心配になり供をするが屋敷の門番の屈強な女兵士に「そなたはここまでじゃ」と止められてしまう。

 玄徳は「心配しなくて良い」と出会った頃と同じ澄んだ瞳を見せる。趙雲は唇を噛んで自分の泊まる屋敷へと帰った。
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