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ヒロイン三国ファンタジー
第10章 10 江東の女傑
物々しい女兵士が「どうぞこちらへ」と奥へ促すが、まるで床入りというよりも軍議でも行われそうである。
まだ残る酒で少しふらつき、寝台に腰かけると音もなく赤い婚礼衣装に身を包んだ花嫁が隣に座る。
「そなたが尚香であるか。あなたが男嫌いだとは聞きましたが、私ではあなたのお相手にはなれぬでしょう。私はあなたより兄上より御父上に年が近いのですよ」
隣で尚香はくすっと笑い自ら顔の赤い覆いを持ち上げ、白い歯を見せる。うら若い尚香は力強く意志の強そうな瞳を見せ「あたしはあなたを気に入ってましてよ」と言い、膝に乗ってくる。
「あ、ありがとうございます」
「玄徳様はまだまだお若く感じますわ。それに――あたしは若い人は好きではありませんの。色々と経験を積まれて、世の中の事を良く知りそして恥じらいを持ち、慎ましい人が好きなのです。あなたのように。うふふっ」
「は、はあ」
尚香と玄徳はまるで花嫁と花婿が逆転しているかのようで、尚香が上に乗り、玄徳の着物を剥がしにかかる。
「あ、あの……」
「いいのいいの。殿はあたしが抱いて差し上げますわ」
獲物を狩るような目つきの尚香に玄徳はまるでおびえる小動物ように身を固くする。
「あの、無理にこのようなことをしなくてもよいのですよ?」
「無理に? そんなことないですわ。玄徳様、震えておいでなの? 優しくしますわ」
まだ残る酒で少しふらつき、寝台に腰かけると音もなく赤い婚礼衣装に身を包んだ花嫁が隣に座る。
「そなたが尚香であるか。あなたが男嫌いだとは聞きましたが、私ではあなたのお相手にはなれぬでしょう。私はあなたより兄上より御父上に年が近いのですよ」
隣で尚香はくすっと笑い自ら顔の赤い覆いを持ち上げ、白い歯を見せる。うら若い尚香は力強く意志の強そうな瞳を見せ「あたしはあなたを気に入ってましてよ」と言い、膝に乗ってくる。
「あ、ありがとうございます」
「玄徳様はまだまだお若く感じますわ。それに――あたしは若い人は好きではありませんの。色々と経験を積まれて、世の中の事を良く知りそして恥じらいを持ち、慎ましい人が好きなのです。あなたのように。うふふっ」
「は、はあ」
尚香と玄徳はまるで花嫁と花婿が逆転しているかのようで、尚香が上に乗り、玄徳の着物を剥がしにかかる。
「あ、あの……」
「いいのいいの。殿はあたしが抱いて差し上げますわ」
獲物を狩るような目つきの尚香に玄徳はまるでおびえる小動物ように身を固くする。
「あの、無理にこのようなことをしなくてもよいのですよ?」
「無理に? そんなことないですわ。玄徳様、震えておいでなの? 優しくしますわ」