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ヒロイン三国ファンタジー
第11章 11 三国鼎立に向かって
銅雀台の宴に荀彧が姿を見せることがなかった。彼もまた曹操が天子を廃し天下を簒奪すると懸念しているようだ。
実際に宴で銅雀台の題目を与え詩を詠ませたところ、息子の曹植などは曹操自身をたたえる詩をつくり、また出席者のほとんどはその詩を称えた。
平凡ながら献帝を奉る詩を詠む曹丕は皆には不評を買っていたが、曹操自身やはり長子が自分の跡継ぎであると心に決める。
そして病に伏していると門を閉ざし顔を出さない荀彧に見舞いの品を贈った。
使用人が恭しく両手に抱えるほどの木箱を持ってくる。
「魏公よりご主人様へとのことです」
「魏公からか……。そこへ置いて下がるがよい」
「はっ」
寝台から起き出し、弱々しい手付きで箱の蓋を開ける。
「やっ! なんと空ではないか……」
もはや私は無用であると悲嘆にくれたその時、ふわっと甘い香りが荀彧の鼻腔をくすぐる。
「んん? この香りは梅……」
病に伏し、食事も喉に通らなかった彼の口の中は酸味を感じ唾液が沸いてくる。
「梅……。梅の実か……」
久しぶりに口の中に潤いを感じた荀彧は、過去の出来事を思い出す。
――行軍中、水が無くなってしまったときであった。日照り続きで井戸も枯れ、川も見当たらぬ時、曹操は「もう少しいけば梅林がある」と兵士たちを奮い立たせ、喉の渇きを忘れさせた。
荀彧も同行しており、実際に梅林はなかったが彼女の機知のおかげで苦難を乗り越えることが出来た。
それから梅の季節になると寝所に梅の枝を置き、香りを感じながら荀彧は十分に潤った彼女の秘部をより、口淫で濡らす。
「ああ、文若。もう十分であろうが……」
「溢れるので啜っているのですよ」
情交の後、いつもはすぐに私室に戻ってしまう彼女であったが、梅を飾っていると少しだけゆっくりし、荀彧と一緒に眺めた。
実際に宴で銅雀台の題目を与え詩を詠ませたところ、息子の曹植などは曹操自身をたたえる詩をつくり、また出席者のほとんどはその詩を称えた。
平凡ながら献帝を奉る詩を詠む曹丕は皆には不評を買っていたが、曹操自身やはり長子が自分の跡継ぎであると心に決める。
そして病に伏していると門を閉ざし顔を出さない荀彧に見舞いの品を贈った。
使用人が恭しく両手に抱えるほどの木箱を持ってくる。
「魏公よりご主人様へとのことです」
「魏公からか……。そこへ置いて下がるがよい」
「はっ」
寝台から起き出し、弱々しい手付きで箱の蓋を開ける。
「やっ! なんと空ではないか……」
もはや私は無用であると悲嘆にくれたその時、ふわっと甘い香りが荀彧の鼻腔をくすぐる。
「んん? この香りは梅……」
病に伏し、食事も喉に通らなかった彼の口の中は酸味を感じ唾液が沸いてくる。
「梅……。梅の実か……」
久しぶりに口の中に潤いを感じた荀彧は、過去の出来事を思い出す。
――行軍中、水が無くなってしまったときであった。日照り続きで井戸も枯れ、川も見当たらぬ時、曹操は「もう少しいけば梅林がある」と兵士たちを奮い立たせ、喉の渇きを忘れさせた。
荀彧も同行しており、実際に梅林はなかったが彼女の機知のおかげで苦難を乗り越えることが出来た。
それから梅の季節になると寝所に梅の枝を置き、香りを感じながら荀彧は十分に潤った彼女の秘部をより、口淫で濡らす。
「ああ、文若。もう十分であろうが……」
「溢れるので啜っているのですよ」
情交の後、いつもはすぐに私室に戻ってしまう彼女であったが、梅を飾っていると少しだけゆっくりし、荀彧と一緒に眺めた。