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ヒロイン三国ファンタジー
第11章 11 三国鼎立に向かって
玄徳が益州に向かっている間、手薄になった荊州を得んと、孫権は攻め込もうとする。
しかし妹の孫夫人の存在があり、姻戚関係であるのに攻め入ることは仁義に欠く行為ということで実行できずにいた。
そこで孫権は母親の呉国太の危篤という知らせを孫夫人に送る。
末娘であり母思いの彼女は居ても立ってもいられなくなった。しかし諸葛亮に知られれば引き留められるであろうと孫夫人は玄徳の幼い息子、阿斗の手を引き、こっそりと江東へ向かった。
「静かに早く参るのじゃ」
「どこへ? 母様」
「阿斗や、これから大きな河を下って母の生まれた江東へ参りましょう」
「はあい」
素直な阿斗は揺れる馬車で眠くなったらしく孫夫人の膝で目を閉じる。
孫夫人は一度江東へ戻れば、しばらく帰ることが叶わぬかと思い衝動的に阿斗を連れて出てしまう。せめて玄徳の代わりにと。
しばらく馬車に揺られ、阿斗の髪を撫でていると後方で馬のいななきが聞こえる。
はっと馬車から顔を出すと、趙雲子龍が追いかけてきていた。
しかし妹の孫夫人の存在があり、姻戚関係であるのに攻め入ることは仁義に欠く行為ということで実行できずにいた。
そこで孫権は母親の呉国太の危篤という知らせを孫夫人に送る。
末娘であり母思いの彼女は居ても立ってもいられなくなった。しかし諸葛亮に知られれば引き留められるであろうと孫夫人は玄徳の幼い息子、阿斗の手を引き、こっそりと江東へ向かった。
「静かに早く参るのじゃ」
「どこへ? 母様」
「阿斗や、これから大きな河を下って母の生まれた江東へ参りましょう」
「はあい」
素直な阿斗は揺れる馬車で眠くなったらしく孫夫人の膝で目を閉じる。
孫夫人は一度江東へ戻れば、しばらく帰ることが叶わぬかと思い衝動的に阿斗を連れて出てしまう。せめて玄徳の代わりにと。
しばらく馬車に揺られ、阿斗の髪を撫でていると後方で馬のいななきが聞こえる。
はっと馬車から顔を出すと、趙雲子龍が追いかけてきていた。