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あなたの背中
第2章 2年前の6月
「 デート。ハルちゃん彼氏いないでしょ?」
「 いないですけど…… 」
「 じゃあ、断る理由はないよね? 」
少し首を傾げ、目を細めながら微笑む店長。
店長は私の事をよく知っている。バイトを始めた頃から質問攻めされ続けた結果だ。
「 ……… はい。」
渋々ながらも、店長からのドライブデートのお誘いを受けた。
デート、なんていうから店長にとって私は恋愛対象なのかな?なんて考えてしまう。
ハンバーグを頬張りながら、チラリと店長を見ると目があってしまい慌てて視線をそらす。
視界の隅で微笑む表情が見えて、少しだけ照れ臭くなってしまった。
「 ハルちゃんは、分かりやすいね 」
ふっ、と笑みをこぼしながら店長がそう言う。
「 店長が私の事を知り過ぎてるんです 」
「 そうかな?」
「 そうですよ 」
「 従業員の事はよく知りたいからね 」
従業員 …
そう、私と店長はただの雇主と従業員の関係。それ以上でもなければそれ以下でもない。少しだけ胸がチクリとした。