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あなたの背中
第3章 人との距離感
「 三神春香は、何飲む?」
視線が合ったと同時に彼が私に問いかけ、まるで私と彼の目線を遮るかのようにグイッとメニュー表を突き出してきた。
「 あっ…えーっとじゃあ……」
「 コーヒー?」
「 へっ?なんでコーヒー?」
「 いやー?違うならなんでもなーい」
彼は不満そうにメニュー表を私に向けたままテーブルに置く。
「 あーっと…じゃ、カルピスで 」
そう言った瞬間、金髪くんがぷっと吹き出した。
「 いや〜初めましてなのに、大胆っ…!」
「 おい、裕也。親睦会だぞ。初対面の女の子にそんな事を言わない 」
「 えー!いいじゃん!俺ららしくてさ!」
金髪くんと眼鏡くんのやりとりが始まる。
一体カルピスの何処が大胆なんだ?と私の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされた。
「 ま、ちょっとコイツ下ネタ好きなんだよ、勘弁してやって 」
「 し…下ネタ?!」
勘弁してやって、と両手を合わせてきたのは圭で、少し驚いたが"下ネタ"の一言でなんとなく察しがついた。
「 あぁ……まあ大丈夫です!スルーしますね 」
察しがついたところで、笑顔で軽くあしらう。
「 その感じたまんないねー!クゥーッ!」
そうテンションの高さが異常な金髪くんだったが、その楽しい雰囲気に私も笑顔になった。